昨日も報じた、企業家のロベルト・ジュストゥス氏の、コロナウイルスを「大したことない」と切り捨てた発言に続き、同氏が「マスコミは騒ぐが、世界で1万2千人程度の死者など大したことない」と言っていたことも判明し、火に油を注いでいる。ジュストゥス氏は、「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、メディアでも有名な富豪だ。レストランチェーン「マデロ」のジュニオル・ドゥルスキ社長も、「5千~7千人が死ぬからといって、ブラジルが産業活動を止めるわけにはいかない」と発言し、問題に。同レストランのCMには大統領候補の司会者ルシアノ・フッキが出演している。
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21日に発表されたサンパウロ州の非常事態宣言で、24日から州内の商業活動が本格的に禁止されたのを受け、サンパウロ市中央部の名物バール「オ・バール・ド・エスタドン」も営業を休止する。これは、同店が1968年に開店してから初めてのことだ。ここは大晦日以外「毎日営業」している24時間営業の店で、常に開いていることで知られているが、20日以降、客足が急激に落ちていた。コロナ・ショックがいかに大きいかを物語る例だ。非常事態宣言解除が早く行われるのを望みたいが。
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新型コロナウイルスの感染拡大や国際的な原油価格下落で、世界的に株の大暴落などが続いていたが、24日のサンパウロ市株式市場は、各国の株式市場が回復傾向を見せたのと同様に、午後4時前の時点で前日の終値を10・82%上回る7万445ポイントを付けた。23日は5・22%下落して6万3569ポイントまで落ち、今年の下落幅が45%に達していた。