ブラジル地理統計院(IBGE)が24日に発表した今年1月の月次小売調査(PMC)によると、今年1月のブラジル全国の小売業販売(数量)は、前の月(2019年12月)と比較して1%減少し、2カ月連続で前月比マイナスとなった。これは、1月の結果としては、2・6%の前月比減を記録した、2016年以降、4年ぶりの減少幅だ。
今年1月の小売を昨年1月と比較すると1・3%増となってはいるが、調査員のクリスチアーノ・サントス氏は、小売業は勢いを失っていると分析している。
「前年比プラスではあるが、伸び幅は毎年小さくなっている。前年同月比での伸びは、2014年10月に達した記録的な数値よりも5・4%ポイント(P)低いままだ」とサントス氏は語る。
IBGEは書面で、「1月の小売には新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)の影響は見られなかった。COVIDー19の影響を測るには、2月、3月の数値を見る必要がある」と発表した。
IBGEによると、1月の小売を停滞させたのは、前月比マイナス1・2%だった「ハイパーマーケット、スーパーマーケット、食品、飲料、タバコ」部門と、マイナス1・4%だった「燃料、潤滑油」だ。これらの他にも、「家具、家電」がマイナス1・9%で、「オフィス用品、コンピューター、通信機器」がマイナス1・6%、「その他」もマイナス0・2%だった。
1月は小売8部門中、5部門が前月比減だった。サントス氏は、「11月末のブラック・フライデーや、年末のクリスマスなどの影響で、1月の小売が芳しくないのは普通のことともいえる」とした。
小売は、前述5部門以外にも、「布地、衣類、履物」、「医薬品、医療、整形外科、香水」、「本、新聞、雑誌、文房具」など、合わせて8部門がある。
さらに、これら8分野に、「自動車、オートバイ、各部品」、「建設資材」を加えた「拡大小売」で見ると、今年の1月は前月比0・6%増だった。拡大小売は、昨年11、12月と連続で前月比減だった。
今年1月の拡大小売を昨年の1月と比較すると、3・5%増。これで、10カ月連続での「拡大小売り前年同月比増」となった。
「自動車、オートバイ、各部品」の販売数量は、昨年12月に比べて8・5%増加したが、「建設資材」は0・1%減だった。今年1月の「自動車、オートバイ、各部品」を昨年1月と比較すると、販売数量は10・2%増だった。
サントス氏は、この増加は、2019年後半からのマイカー購入ローンの比率が下がったことで説明されるとしている。(24日付アジェンシア・ブラジルより)