サンパウロ州海岸部のサントス市で、新型コロナウイルスに伴う外出自粛令(クアレンテーナ)を振り切って母親に会いに行こうとした女性が、窓から抜け出そうとして瓦を踏み抜き、負傷する事故が起きるなど、同令実施の難しさを示す事柄が起きている。25日付現地サイトが報じている。
同市の軍警によると、この事故は、同市のドトール・ペドロ・レッサ大通りに住む23歳の女性が、サンパウロ市に住む母親に会いに行こうとしたが、コロナウイルスへの感染を恐れた夫に外出を制止されたために起きたという
どうしても母親に会いたいと願った女性は、アパートの2階にある自宅の窓から抜け出そうとしたが、瓦が体重を支え切れずに割れたため、地面に落ち、軽傷を負った。それを見た夫も、妻を助けるために窓から出ようとして、負傷したという。
サントス市を含む海岸部(バイシャーダ・サンチスタ)では、感染が疑われる人たちが500人以上おり、一次検査で陽性となり、2度目の検査の結果待ちの人も5人いる。感染が疑われている人の中には、死者も4人含まれており、死因を調査中だ。
サントス市では20日に非常事態が宣言され、23日付官報に掲載された。また、長距離バス用のターミナルも20日から、病院に行くなどの特殊事情か、治安関係者などが利用する場合以外は、利用できなくなっている。