新型コロナウイルスの災禍が世界中に拡大している中、サプライチェーンの停滞を見越した世界の主要コーヒー消費(輸入)国が、コーヒーの“買いだめ”を行っている。
コロナウイルスの災禍により、トラックの運転手や船の乗組員の確保が難しくなったり、航空便での輸送量が激減したりすることを懸念するコーヒー輸入国が買い注文を最大で1カ月前倒ししているため、他のコモディティ商品が軒並み値を下げているのとは反対に、コーヒー豆の価格は上昇している。
特に、ブラジルやコロンビアなどの主要なコーヒー輸出国の生産者は、価格が上昇しているのを感じている。
「誰もが焦って買いに走っている」とコロンビアの輸出業者、カラベラ・コーヒーのディレクター、カルロス・デ・ヴァウデネブロ氏は語った。 コロンビアは収穫期を過ぎており(オフシーズン)、新たな在庫増は望めないのに、需要が拡大。まだ在庫が残っているという国内の輸出業者も、大半は一時的に大幅な在庫減となり、操業能力が低下しているため、買い注文が殺到している現状を懸念しているという。
米国の大手コーヒー輸入業者は、米国の焙煎業者も中央アメリカなどの原産地からの買い取りを加速しようとしていると語った。
ブラジル最大級のコーヒー輸出業者の幹部は匿名を条件に、「米国、日本、ドイツといった、全てのコーヒー輸入主要国のバイヤーから注文を受けた。とにかく、世界中の大手の焙煎業者がすべて、コーヒー豆を抑えたがっているんだ。コロナショックで供給がストップすることを心配する輸入国の業者たちは、少しでも早く、豆を手元に置きたいと考えている」と語った。(30日付G1サイトより)