ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》コロナショックの底見えず=3月株安30%、ドル高16%=年内累積では株安37%、ドル高30%

《ブラジル》コロナショックの底見えず=3月株安30%、ドル高16%=年内累積では株安37%、ドル高30%

外出自粛令などの社会的隔離政策は経済に与える影響も大きい(参考画像・Fernando Frazao/Ag. Brasil)

 新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)の世界的な大流行の影響で、3月のブラジル株は記録的な下げとなり、ブラジル通貨レアルも対ドルで大きく値を下げた。3月31日、4月1日付現地サイトが報じている。
 3月31日のサンパウロ株式市場指数(Ibovespa)は、前日比2・17%減の7万3019・7ポイント(P)で取引を終了した。
 Ibovespaは3月に29・9%下落。39・55%下落した98年8月以降、単月度としては最悪の結果だ。今年に入ってからのブラジル株は低調で、1~3月の下げ幅は36・86%だ。
 投資サービス会社トリゴノ・カピタルの共同経営者ヴェルネル・ロジェル氏は、「金融商品の下落ペースは想定以上だ。コロナ騒動前に設定されていた予想価格変動幅は役に立たない」と語る。
 3月のブラジル株式市場では、株価が大幅に下がった時に取引を停止する、サーキットブレーカーが6回発動した。5回は10%下落で発生したもので、残る1回は、10%下落後に取引が再開されたが、さらに下落して15%に達した時に再発動となったものだ。
 新型コロナによる経済的影響を食い止めるため、世界中で財政出動、雇用維持対策が取られている。
 新型コロナのワクチン開発への期待を抱かせるニュースも散発的に出てはいるものの、今年第1四半期の世界経済は混沌とした状況に包まれた。
 イタリアやスペイン、米国を中心とする感染拡大や死者増加が続き、世界中で社会的隔離政策が採用または延長されているため、最終的な影響がどれほどの規模になるかは不確実なままだ。
 また、3月31日の為替相場は、前日比0・23%ドル高の1ドル=5・194レアルで引けた。これにより、3月だけでドルは対レアルで15・92%上昇した。3月31日の終値は、1ドル=5・198レで終えた3月18日に次ぐ、レアルプラン採用後、名目値で2番目のドル高だ。
 対レアルで見た今年のドルは、1月初めから3月末までで29・44%上昇した。
 3月31日のドルは一時、1ドル=5・2レの水準を突破し、1ドル=5・21レに達していたが、同日午後、ブラジル中銀が介入。午後半ばには7億5500万ドルを売却した他、同日夕方の早い時期に、5月に期限切れの49億ドルの外国為替スワップ契約を行うと発表。これは先物市場でのドル売りに相当する。
 なお、4月1日も株安、ドル高の傾向は変わらず、午後4時半の段階では、Ibovespaは7万773・3P、為替は1ドル=5・261レをつけた。