【既報関連】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者の治療には人工呼吸器が欠かせないが、ブラジル全5570市のうち、全病院が保有する人工呼吸器の合計が10台にも満たない市が33%を占めると、2日付現地サイトが報じた。
国内には全部で6万5411台の人工呼吸器があり、4万6663台は統一医療保健システム(SUS)が保有している。また、3639台はメンテナンス中、もしくは使用できる状態になっていない。
今後数週間で必要とされる台数を正確に予測することは難しいが、国内の人工呼吸器の分布が不均一なのは確かだ。
人工呼吸器が1台しかない市も861存在し、全体の47%の人工呼吸器が27州都に集まっている。中でもサンパウロ市、リオ市、ブラジリア、ベロ・オリゾンテ市、レシーフェ市の5市に全体の26%が集中している。
人口何人あたりに1台の人工呼吸器が備えられているかを州ごとに調査すると、最も充実しているブラジリア(連邦直轄区)でも1420人で、以下、リオ州2303人、サンパウロ州2490人、マット・グロッソ州2503人と続く。
1台の人工呼吸器を多人数で使い分けなければならないのは、アマパー州9122人、ピアウイ州7285人、マラニョン州6677人などだ。
保健省は1万7千台の人工呼吸器を取得する予定だが、エンリケ・マンデッタ保健相も、1日の記者会見で、「8千台の購入を前倒しした。患者が増えている州や州都を落ち着かせるのには十分なはずだ」と語った。
なお、2日午後4時時点での保健省の発表では、ブラジル国内の感染者は7910人、死者は299人だ。