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県連新会長に市川利雄氏=「若者の日系意識濃くしたい」=慰霊碑の重要性、次世代に

市川利雄県連会長

 ブラジル日本都道府県人会連合会は「第54回定期総会」並びに「2020年・2021年理事会総選挙」を先月26日、サンパウロ市の静岡県人会の会議室で行った。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総会参加者は6人のみ。お互いに2メートルずつ間隔をとって会議に臨んだ。2016年から4年間を務め上げた山田康夫会長が3月31日付で任期を終えた関係で、役員選挙が行われ、市川利雄富山県人会長(前日本祭り実行委員長)を新会長とするシャッパが信任された。

 役員選に提出されたシャッパは市川氏が率いる「県人会と県連、共に未来へ向かって」のみ。賛成29票、白票1票、棄権4票の計34票が集まり、信任された。新型コロナウイルス感染防止に配慮して、Eメールで委任状を集めて、出席者のみ投票した。
 電話取材に応じた市川会長は、「県連が日系社会と日本との繋がりをより強固にし、次世代を担う日系社会の若者に日本文化をもっと伝承していかなれば」と熱意をもって語った。
 市川氏が掲げる4方針は次の通り。
(1)「県連と日本政府との関係性の活性化」=日本政府や県庁に表敬訪問を行い、日系社会の重要性、必要性を伝え、関係性をより強固にする。
(2)「県連及び県人会の活動強化」=県連の使命、価値付け、ビジョンなどを話し合って明確化する。文協と連携した形で、短期・中期・長期の戦略的計画をたてる。県連内に青年リーダー理事の設置を検討し、それに合わせて定款を改正する。
(3)「県人会メンバーの活性化と活力の底上げ」=市川会長らが先頭に立って各県人会を訪問して周り、実情について意見交換を行う。県人会に青年層が来やすくなるようなポルトガル語環境を作る手伝いをしたり、県連が日本語学校を運営するなどのアイデアもある。
(4)「開拓先没者慰霊碑」=数多くの先駆者名を記した過去帳を集めた同慰霊碑の歴史や重要性を、次世代の若者層にも再認識してもらうためにセミナーを行う。
 市川会長は「この方針を通して、薄まっていく日系意識を濃くしたい。日系人のルーツを若い世代にも理解してもらい、誇りを持ってほしい」と意気込んだ。
 新役員は以下の通り。
【会長】市川利雄(富山)【副会長】谷口ジョゼ(和歌山)、佐藤マリオ(山形)、鈴木ジルベルトはじめ(奈良)、西山実(佐賀)、長屋充良(岐阜)、杓田美代子(三重)、大町アルフレッド(秋田)【第一会計】原永門(静岡)【第二会計】山下ルイス宏治(福井)【第一書紀】上園ミチエ・モニカ(鹿児島)【第二書紀】磯白田ネウザ(群馬)【正監査】清原健児(熊本)、吉広ロベルト貞夫(広島)、上原ミルトン定雄(沖縄)【補助監査】黒澤儀人(茨城)、森永ジェラルド正行(石川)、鈴木ワグネル(東京)