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【読者レポート】コロナ禍を逆利用?=サンパウロ市在住 大阪次郎

コロナウイルス感染抑止のために出た外出自粛令下で、ガランとしたガルボン・ブエノ街(大阪次郎氏撮影)

 新型コロナウイルスの影響で、世界中がドエライことになっている。サンパウロ市では周知のとおり、3月24日(火)から4月7日(火)までの2週間、外出自粛措置が取られ、これが4月22日まで延長されることになった。
 最近では、テレワーク(在宅勤務)という言葉がメディアをにぎわせるようになり、コロナ対策の一環として会社に出勤せずとも、自宅に居ながらパソコンなどを通して仕事をしている人も少なくないようだ。
 私自身、このテレワークを実践しているが、どうしても自宅で長時間にわたって仕事をしているとテレーッとして、だらけてしまうことが多い(これが本当のテレワークか?)。反面、外部から余計な電話があまり掛かってこないため、一定の時間は仕事を集中してできるメリットもある。
 外出自粛措置が取られてからは、基本的に自宅にこもっていることが多い。しかし、食料品の買い物など「有要有急」の事態がある時は、マスクを付けて外出せざるを得ない。外出中は出来る限り、人気(ひとけ)の少ない場所を通り、前から人が歩いてきたら、ギリギリですれ違わず、その人と数メートルの距離をあけたり、道路の向こう側に渡ったりするなど工夫している。
 帰宅後はすぐ、石鹸を付けての念入りの手洗いとうがいを行い、さらに鼻の穴から水を吸い込んでの「鼻の洗浄」も実践。また、アルコールのスプレーを手に付けてこするほか、ドアノブなど帰宅後に手で触れた場所をアルコールで拭き取るなどして消毒している。
 自宅に留まることが増えて困るのは、運動不足になりがちなことと、大好きな野外での写真撮影がやりにくくなったことだ。しかし「物は考えよう」で、自宅でもある程度、自主的なトレーニングはできる。両手を広げられるほどの空間があれば、腕立て伏せ、スクワット(膝屈伸)などができ、ベッドの上ではストレッチ、腹筋や背筋などの運動も可能だ。
 写真撮影も行動範囲が狭くなったのは寂しいが、買い物に出かける時にカメラをリュックに入れて持ち歩き、人影が少なくなった珍しいサンパウロの風景などを短時間ながら撮影している。
 以前に比べて格段に便利になったのは、インターネットおよびSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の普及により様々な情報が吸収でき、外出しなくてもブラジル国内をはじめ、日本や世界中の友人たちとコンタクトが取れるようになったことだ。
 同じように自宅でこもっている人たちと近況を知らせ合い、音信不通になっていた昔の友人たちと改めて連絡をとり合うことができる喜びがある。昔の日本移民が情報不足などで混迷を極めたことを思えば、コロナ禍であっても現在ははるかに恵まれている。新型コロナウイルスが収束しても、前述のテレワークは今後も継続されていくと思う。
 今回の外出自粛措置を逆利用して、過去の写真や資料の整理など、これまであまり行なっていなかったことをやろうと思っている。しかし、面倒でなかなか手が付けられないこともある。以前から「自宅の大掃除をしなければ」と家族から言われているのだが、いつ実行に移せるかは「神のみぞ知る」といったところか。