【既報関連】新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の感染者は増え続けており、8日午後5時すぎの保健省発表では、感染者1万5927人、死者800人となった。感染者の数も死者の数も国内で最も多いサンパウロ州では外出自粛令が4月22日まで延長されたが、サンパウロ市では、周辺地域を中心に外出自粛が守られなくなっていることを示す光景が見受けられた。また、サンパウロ州と並び感染者数の多いリオ州リオ市のファヴェーラも状況は変わらないと、8日付G1サイトが報じた。
各市や各州政府が外出自粛令を出し、外に出ないよう呼び掛けても、賑わいが一向に収まらない地域も存在する。
G1サイトは、サンパウロ市の様々な地域で、人々がサッカーをしたり、バールに集まったり、バスが満員状態で走ったりしている様子を確認した。この現状は、世界保健機関(WHO)による指導に反している。
外出自粛を無視する動きは、富裕層エリアでも見られた。5日の日曜日は、ピニェイロス区にあり、美しい夕陽が見られることで有名な公園に大勢の人が出かけ、パウリスタ大通りの自転車レーンにもいっぱいのサイクリストが繰り出している様子が見受けられた。
外出自粛令などの社会的隔離政策に否定的なジャイール・ボルソナロ大統領は3月31日に、コロナウイルスに関する4回目の公式声明を発表した。前回までとは異なり、社会的隔離政策を直接批判することはなかったが、大統領本人は隔離政策に反対の立場のままで、6日には保健相の解任寸前までいった。
サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は6日の延長時、市長には外出自粛令を順守させる責任があり、不服従者には軍警が警告および指導を行い、逮捕する可能性もあると述べている。
他州に先駆け、3月17日に隔離政策を開始したリオ州でも、リオ市北部アレモン地区の複合ファヴェーラなどで、一旦は街路が空になり、多くの商店も閉店していたのに、約20日後には、外に出る人が増え、多くの店舗も営業を再開していることが確認された。
4日から7日にかけては、営業が許可されていないのに開いている店や、感染したら命を落とす危険が高い高齢者を含む人々が群れをなしている様子が多く見られた。学校が休校になり、行き場を失った子供たちも、外に出て遊んでいた。
リオ市南部のイパネマ海岸では、禁止されているのに海に入ったサーファーが拘束された。ニテロイ市では、海岸沿いを歩いていた女性が2人逮捕された。リオ市西部では、無許可営業のバールが閉鎖され、60人が集まっていたパーティーが強制終了させられた。