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東西南北

 8日の夜のボルソナロ大統領の政見放送は、外出自粛令を止める呼びかけと、世界でもまだ試験段階の薬品の処方を勧めるもの、という物議を醸す内容だったが、世間へのインパクトはそこまで大きくなく、ツイッターでの話題にもあまり上がらなかった。大統領支持派の人は「ボルソナロにノーベル賞」などのハッシュタグもあげていたが、その盛り上がりも今一つ。それ以上に、同じ時間帯にネット生中継でやっていたセルタネージャ女性歌手、マリリア・メンドンサのスタジオ・コンサートの方がはるかに話題となっていた。この中継にはマンデッタ保健相がメッセージを送る一幕もあり、同相は「隔離」の必要性を訴えていた。 
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 サンパウロ州でのクアレンテーナ(外出自粛)は22日まで延長されたが、サンパウロ市のバス運行を統括するSPトランス社の調査によると、第一次クアレンテーナ7日目の3月30日と14日目の今月6日のバスの乗客数を比べると、前者は225万人、後者が280万人で、28%増えていることが分かった。昨日付本面でも触れたが、市民が自宅待機にうんざりし始めて、隔離への集中力が途切れてきているのかも。クアレンテーナ発令前の1日の平均乗客数は900万人だったから、まだかなり少ないが、もうひと頑張りしてほし い。
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 12日は復活祭(パスコア、イースター)。イースターエッグなど、チョコレートが最も売れる時期だが、業界の予想では、今年の売り上げはコロナ・ショックで前年より20%減るとか。ただ、暗い世相にも明るい気分転換は必要なので、家族で食べて、楽しみたいところ。