新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックという新たな課題に人類が直面しているこの時期において、ニッケイ新聞社による「連帯メッセージリレー」の呼びかけ、および、ホームぺージでの情報無償提供の決定は、我々日系社会にとって大変心強いものであると、心からの感謝と支持を表明致します。
我々文協は、ブラジル社会全体はもとより、各ブラジル日系団体および会員の皆様、また従業員に至る全ての人々を保護し、連携していく責任があると認識しております。
そのため、サンパウロ州・市当局の新型コロナウイルス拡散防止指示に従い、文協はいち早く従業員を在宅勤務に切り替え、ブラジル日本移民史料館、および日本館の一時閉鎖を含む事業体の活動を休止し、これまで行ってきた伝統的なイベントの延期や中止の決断を下しました。
なお、今後3カ月間で予定されていたイベントの開催についても、文協への訪問者の感染リスク軽減を何よりも最重要事項とし、再検討しているところです。
また文協は現在、新型コロナウイルス感染拡大防止対策だけでなく、NHKが制作した個人の衛生状態向上を指南した動画を、文協のソーシャルネットワークに掲載し、感染予防の啓蒙にも取り組んでおります。
さて、我々全てのブラジル日系団体は、ブラジル政府当局が指示する新型コロナウイルス感染症拡散防止措置を遵守することで一致していることをお伝えいたします。
その中でも特に、サンパウロにおいては州都圏にある特別養護老人ホーム、サンパウロ日伯援護協会、日伯友好病院、サンタクルス病院などの医療および社会的支援を専門とするブラジル日系団体が果たす役割は重要なものとなっています。
同じくパラナ州では州都圏および特にマリンガ市、リオ・グランデ・ド・スル州の南日伯援護協会、パラー州ベレンのアマゾニア病院などが同様の役割を果たしています。
これらの団体は、一般市民患者の対応はもとより、日本語での対応を強化するなどし、この緊迫した時期に日系人高齢者や日本人患者に対して寄り添った支援を提供するために全力で取り組んでおります。
本年65周年を迎えるに至ったブラジル日本文化福祉協会では、この間、34人の地方理事らを通じて、ブラジル全土に広がる500からなる団体との関係を構築するとともに、相互の理解を深めるべく連絡のネットワークを駆使し連携強化に向けて邁進いたしています。
またブラジル国内だけにとどまらず、中南米、北米、日本などの他国の日系団体とも強固な友好関係を築き、維持しています。
文協と致しましては、これまでに培ったこれらの日系団体との連携を密にし、ブラジル社会全体はもとより、各ブラジル日系団体および会員の皆様、また従業員に至る全ての人々の保護を最優先させた取り組みを、引き続き率先して実施していく所存でございます。
最後に、模範的に組織されて、各国から高い評価を受け注目されていました世界のスポーツイベントである「東京2020オリンピック」の延期が先日発表されましたことは、皆さま既にご存知の事と思います。
この「東京2020オリンピック」が、競技者はもちろん、それを支える企業や応援する一般の人々の協力を得て、2021年の開催を実現し、成功させることは大きな意味を持つと考えています。
その成功は、人類が新型コロナウイルスパンデミックの危機的状況を克服し、21世紀の調和のとれた発展への道をたどったことを象徴する大会となるに違いありません。このオリンピック開催を目標に、今こそ全人類が一丸となり、一日も早い新型コロナウイルスの終息に向かって邁進していきましょう。