連邦検察庁のアウグスト・アラス長官がボルソナロ大統領の新型コロナウイルスに対する態度を問題視する訴えをことごとく退け、検察庁内外からも批判を受けていると13日付フォーリャ紙サイトが報じている。
アラス長官のもとには、少なくとも三つ、ボルソナロ大統領のコロナ対策を問題視した嘆願が提出されていた。
一つ目は3月26日に検察庁内部から出たもので、2日前に行われた大統領の「隔離をやめて外へ出よ」との発言に対し、「保健省のガイダンスに従うよう、検察庁からも指示を出すべきだ」との提言が行われたが、事前にメディアに内容が漏れたことを批判すると共に、個人的な懸念を扱ったものとして断った。
二つ目は3月下旬に、副長官らがアラス長官に進言し、大統領が連邦政府で進めようとしていた反隔離キャンペーン「ブラジルは止まれない」を最高裁に止めさせようとしたものだが、アラス氏はこれも取り上げなかった。このキャンペーンは結局、3月31日に最高裁のルイス・ロベルト・バローゾ判事によって差し止められた。
三つ目は、最高裁のマルコ・アウレーリオ・メロ判事がボルソナロ大統領の責任法違反を問う嘆願書を検察庁に判断させようとした件だが、同件でも、「大統領には社会的隔離政策を止める権利がある」との意見書を最高裁に提出した。
これらの件でアラス氏は、「検察庁は政治論争の場ではない」とし、自身が介入することを嫌った。その代わり、ラヴァ・ジャット作戦で回収された不正な金の一部をコロナ対策費に当てることなどに興味を示している。