サンパウロ新聞元編集次長(デスク)で、ジャーナリストの笹井宏次朗(ささい・こうじろう)さんが9日午後6時ごろ、胃ガン手術後の出血多量により、入院先のサンパウロ市内病院で亡くなった。享年67。東京都出身。
笹井さんは1980年に渡伯。同年から2002年6月までサンパウロ新聞記者およびデスクとして活躍。特に、ブラジルのサッカー関係には造詣が深く、日本のサッカー「Jリーグ」の立役者で、今なお現役として活躍する「カズ」こと三浦知良(かずよし)選手を、無名だったブラジル修行時代から密着取材してきた。
また日系社会でも、女剣劇士として全伯を巡回公演した丹下セツ子さんや花柳流名取の花柳龍千多さんらに同行して取材。そのほか、日本のテレビ局の特派員助手として中南米各地を取材して回るなど、多方面で精力的な活動を行ってきた。
笹井さんは今月1日にサンパウロ市内の病院で胃ガンの手術を受け、9日か10日には退院する予定だった。しかし、9日に出血多量となりUTI(集中治療室)に運ばれ、同日午後6時ごろ亡くなったという。今月21日には68歳の誕生日を迎えるはずだった。
現在の新型コロナウイルスの影響により、通夜および葬儀は10日にサンパウロ市内のビラ・アルピーナ火葬場で近親者のみで執り行われた。現状では四十九日法要も実施できない可能性が高く、コロナウイルスが収束した際に知人・友人を集めての「お別れ会」も考慮されているが、現在のところ未定。