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《サンパウロ州》外出自粛令を5月10日まで延長=経済より人命優先の姿勢保つ

外出自粛令延長を発表するサンパウロ州のジョアン・ドリア知事(Govesp)

 【既報関連】サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は17日昼過ぎに、3月24日から州内全域645市を対象に出されている外出自粛令を5月10日まで延長すると発表した。同日付現地ニュースサイトなどが報じた。
 3月24日から4月7日までの期間で出された外出自粛令はその後、4月22日までに延長されていた。今回で期間の延長は2回目だ。3月24日からの外出自粛期間は、最低でも48日間継続されることとなった。
 サンパウロ州は感染者数、死者数がブラジル国内で最も多く、16日までに1万1568人が感染し、853人が命を落とした。
 ドリア知事は、「15人の医師からなるコロナ対策委員会からも、外出自粛令延長は支持されている」と語った。
 同知事は、「1カ月前に州内で最初の死者が出た。現在はそれが853人に増えた。残念ながら、感染は拡大している」と語り、州内の公立病院の受け入れ能力が限界に近付いているとも明かした。

 知事は「医療現場の前線で人命を救うために戦ってくれている医療スタッフたちに信頼している。医師たちへの敬意と共に、外出自粛令を延長する」と医師たちへのねぎらいも口にした。
 多くの商業施設が閉鎖され、多大な経済的損失が出ているため、外出自粛令を批判する勢力もあるが、「商店などを再開するためには、医学的な条件が整うことが不可欠だ。無責任で性急な考えや推測、イデオロギーに偏った判断が入り込む余地はない」として、隔離に反対するボルソナロ大統領を暗に批判した。