「駐在員の方は、意外にも総領事館や在外公館との連携が少ない状態。例えば、総領事館が発信している邦人被害情報についても、発信されているのは氷山の一角で、実際に被害にあった方で総領事館に報告していない人は多々いるだろう」―ブラジル日本商工会議所の平田藤義事務局長に電話取材をした際、そんな予測をのべた。同会議所は前回の「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」に続き、3月31日に第2弾を発表した。
本アンケートで特に目立ったのは質問7の『コロナウイルス感染症関連でサンパウロ総領事館や最寄りの在外公館とコンタクトあるいは相談しているか』であった。約76%(83社)の会社が「コンタクト無し」と回答した。これに対して平田事務局長は「こういった時こそ、総領事館や在外公館の発信情報を小まめに確認し、連携を密に取るべきだ」と語った。
「感染の疑いがある症状が出た時は迷いなく報告し、早々に自宅待機を行ったほうがよい」との意見も述べた。
新型ウイルスが日系社会にも多大な影響を与えることを懸念しており、「高齢者の多い日系コロニアで可能なかぎり感染者をださないよう、日系社会・日系進出企業・在伯邦人が一丸となって守っていかなければならない」と語った。
今回のアンケートで、日系進出企業駐在員の現状が可視化された。アンケート対象は、主に同会議所会員の進出企業211社、そのうち109社が回答。回答企業の約95%(104社)に駐在員が勤務しており、家族帯同者は約70%(76社)であった。
だが一方で、今回のコロナ感染拡大防止に合わせ駐在員およびその家族の一時帰国を実施している企業は、わずか約17%(18社)。調査時点で駐在員および家族の一時帰国を考えていない企業は約38%(41社)となった。
アンケート詳細は、以下まで。http://jp.camaradojapao.org.br/upload/files/200331%20新型コロナアンケート%E3%80%80その2%E3%80%80一時帰国対応について.pdf