サンパウロ人文科学研究所の元顧問、鈴木正威(まさたけ)さんが18日午前、入院中のサンタクルス病院で亡くなった。享年88。1月下旬に脳梗塞で一度入院したがいったん退院、3月に入退院を繰り返し、その後、自宅療養中に心臓発作を起こして再入院していた。20日時点で死因は不明。葬儀は家族のみ。コロナ終息後にお別れ会を行う予定。
鈴木さんは1932年、中国山東省青島市生まれ。46年に14歳で日本に引きあげた。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、59年にブラジルへ移住した。日本語教科書刊行委員会事務局長、日本語普及会事務局長、日伯文化連盟理事を務める。
92年から3年間、長兄の会社がある中国へ赴任。ブラジルで1年を過ごして、再び中国で1年、計4年を「生まれ故郷」で過ごした。
98年からサンパウロ人文科学研究所理事、所長、顧問を歴任した。人文研では自ら執筆・研究する傍ら、広く移民社会研究の普及や日系社会調査などに携わり、若手研究者の育成に尽力した。
著書に『鈴木悌一─ブラジル日系社会に生きた鬼才の生涯』、『眠りを覚ました十二億の民─中国烈日─』など。
人文研事務局がお悔みを受け付けている。メッセージは「contato@cenb.org.br」まで。