クアレンテーナ(検疫)中の静かなパウリスタ大通りが突如、歓声とクラクション(警笛)によって埋め尽くされた。
18日(土)15時、偶然にもパウリスタ大通りを歩いていると、トレアノンマスピ駅あたりでやたらと賑やかな歓声があがっていた。近づいてみると、ドリアサンパウロ州知事反対派のマニフェスタソン(デモ活動)だった。
息を呑んで見物していると、ブラジルの国旗を車体前頭部に掲げた車50台ほどが、クラクション(警笛)やブブゼラ(アフリカの管楽器)を鳴らし続々と集まってきた。日本車など比較的高めの車が多いようだ。
と思えば、ハーレーなどの高級二輪車を中心とした200台ほどのバイク集団も集結し、大通りはあっという間にデモ隊で埋め尽くされた。
ブラジルの国旗色、緑や黄色を来た者達も200人ほどが続々と集まり、ドリア州知事のクアレンテーナへの抗議、ボルソナロ大統領の発言を肯定する歓声が湧き上がった。「ボルソナロには理由がある!私達は働きたい!」と書いた布を広げて抗議するものも。車に乗っていない人の半分ほどはマスクをしていた。
対して、騒音に対する抗議なのか反ボルソナロ派かは定かではないが、近隣アパートの住民が窓から顔をだして鍋を叩く抗議が始まり、お互いに牽制しあうという始末。
記者は偶然にもデモ隊の基本カラーである緑色の服を着ていたことに安堵した。
新型コロナの感染予防で外出自粛が発令されている最中、野外とはいえ、一番人だかりがあったのはここだろう。
4月末から5月にかけてサンパウロ州は感染拡大のピークを迎えると言われる。死者が日々増えていく中で、この外出自粛令解除を求めるこの動きが、今後どうなっていくのか。すぼんでいくのか、それとも週毎に増えていくのか。目が話せない動きのようだ。(淀)