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《ブラジル》新型コロナの感染者4万5757人、死者は2906人=感染検査体制拡大の動き=ブラジリアなどでドライブスルー検査

ドライブスルー検査を受ける人(RenatoAlves/Ag. Brasilia)

 新型コロナウイルスの感染はブラジル全土に広がり続け、22日午後4時の保健省発表では感染者4万5757人、死者2906人に達した。22日付現地各ニュースサイトが報じた。

 「実際の感染者数は公式発表の10倍以上」とブラジル国内の複数の学究団体が表明し、被害状況の正確な把握が困難となっている中、21日にはサンパウロ州のジョアン・ドリア知事が、「州内のコロナウイルス感染検査のための施設を38に増やしたことで、感染検査の結果待ちだった検体(サンプル)数が大幅に減っている。この結果待ちの列は22日にはゼロになる」とツイートした。
 同知事は「検査の徹底は、感染状況を正確に把握し、それに適した対策を検討するために、極めて重要」と続けた。
 公私にわたる施設を動員することで、検査の結果待ちの列は解消されようとしているが、そのことは、検査を望む、全ての人々の検査終了や、同州でのコロナ感染の実態が把握できたことは意味しない。サンパウロ州での検査はまだ、重症の肺炎患者や医療従事者に限定されているからだ。
 検査を徹底して行うことで感染拡大抑制に成功している例としては、韓国の名が上がる。だが、検査対象を拡げすぎると、検査所で集団感染が起こるリスクが増すし、いたずらに検査を拡大して患者が増えると、軽症でも対応しなくてはならず、医療崩壊が発生する可能性があるなどの一面も指摘されている。
 ただし、検査をしないことで、自分がコロナウイルス陽性者だと気づかず、無症状または軽症で無自覚のまま、普通に生活を続け、ウイルスを拡散させてしまう危険性も否定できない。
 そうした中、連邦直轄区(DF)では、21日から新型コロナウイルス感染検査体制を拡張し、ドライブスルー検査を始めた。ドライブスルー検査とは、車で検査所まで行き、車から降りることなく窓越しの検査を受け、そのまま帰って来れる検査方式のことで、狭くて換気の悪い検査所に疑似症患者が集まるという事態が避けられる。この方法は既に、南部のサンタカタリーナ州州都のフロリアノポリスなどでも採用されている。
 DFでは、第一段階として、検査キットを10万セット用意して、このドライブスルー検査を開始する。
 検査はDF内でも新型コロナ感染者の発生率が最も高い、ブラジリアの中心部と、アグアス・クララス地区で始まる。
 発熱や咳の症状が出てから7日以上経っている人はドライブスルー検査を受けられるが、発症から7日未満の人は検査を受けられない。DF保健局は、検査所にはマスクを着用して向かうよう、推奨している。
 検査を受けるには、身分証明書と居住証明を携帯する必要があり、先着順に対応される。希望者は会場に到着後、問診を経て、検査を受ける。実際の検査は、血液採取、または、喉と鼻からのサンプル採取のどちらかで行われる。