【既報関連】23日午後5時現在の新型コロナウイルス感染者は4万9492人、死者は3313人で、流行開始後、初めて、24時間の死者が400人、感染者が3千人を突破した。また、重症急性呼吸器症候群(SARS)による死者や入院患者急増中と、オズワルド・クルス財団が発表したと23日付現地紙、サイトが報じた。
4月4日現在のSARSによる入院患者は3万3500人で、H1N1(A型インフルエンザ)流行時の10年の3900人や16年の1万400人を大幅に上回る。この数字には民間医療機関からの報告も含まれているが、それを除いても、例年より格段に多い。
平年より早い患者急増や通常のインフルエンザ感染検査では陰性例が多い事、インフルエンザの予防接種が前倒しされた高齢者の入院が多い事などから、患者急増の主因は新型コロナ感染症で、感染未確認の患者が相当数いると見られている。
同様の傾向は死者数の推移でも見られ、コロナ感染が死因と見られる例は5~6日で倍増中で、イタリアやスペインの8日より早い。
この集計には感染未確認の死者も含まれる。その事は、アマゾナス州マナウス市で埋葬された死者は19~20日で228人、21日も136人いたが、同州のコロナによる公の死者数は22日現在で207人だった事でも明らかだ。保健省統計でのコロナによる死者倍増は8~9日かかっている。
同財団によると、人口50万人以上の市は皆、コロナ感染者が確認されている上、5万~10万人の市59・6%、2万~5万の市25・8%、1万~2万の市11・1%のように、感染が内陸化。この数字は公の報告が出ている市だけで、無症状や軽症の例も含めて感染者ゼロの市がどれ程あるかは不明だ。
だが、ネウソン・タイシ保健相は24日、死因が未確認の死者の存在を無視し、ブラジルのコロナによる死者は8・17人/100万人で、ドイツの15人、イタリアの135人、スペインの255人、英国の90人、米国の29人などと比べ、極めて良好と評価。
同相は社会的隔離緩和に向けた準備を進める意向も表明したが、同省関係者は、保健相が使った資料はやや古く、現在のブラジルの死者は14人/100万人だという。州別の死亡率は、アマゾナスの45人/100万人を筆頭に、ペルナンブコ24人、リオとサンパウロ各23人、セアラー22人と続く。
保健省の統計でのSARSによる入院患者は3月末現在で1万1707人いたが、9千人は20日の時点でも検査結果待ちだ。だが、保健相は、「なぜコロナ、コロナと騒ぐのか。患者急増と医療現場が対応しきれずに驚いているだけだ。最大限の努力をするしかない」とし、検査増を約束するに止まった。