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東西南北

 22日、ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官は記者会見の席で、「報道の自由は大前提である」としながらも、「死体や墓場などのネガティヴなイメージのものばかりではなく、もっと明るいニュースを」と求めた。これに関して、ジャーナリストやSNSで批判の声が上がっている。ラモス氏は軍人官僚の中では穏健派として知られ、連邦議会との調整役などを務めている立場ではあるが、軍には軍政時代の検閲の過去があるだけに、いい印象は持たれにくいか。多くの国民にとっては、連邦政府や議会、メディアなどが一致して、感染者や死者の数が減るように努力する姿こそが最高のニュースなのでは。

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 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は22日、ブラジルのコロナ対策を「悪い例」として批判した。同知事の言葉を借りれば、「あの国では多くの国民を感染させて免疫をつけさせたいようだが、それでは多くの人が命を失ってしまう」とのこと。国内での報道イメージをよくしようとしても、国外には筒抜け、ということか。なお、米国内の世論調査では、国民の46%がクオモ知事のコロナ対策を支持しており、トランプ大統領の36%を上回っている。
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 一部の州ではすでに、コロナウイルス対策としての隔離解除、もしくは緩和が始まっているが、世論の受けは良いとは言えない。とりわけ、サンタカタリーナ州ブルメナウのショッピングセンターでは、再開を派手に祝い、多くの人が他者との間の距離も取らずに集まっている姿が映され、ネット上で批判された。本当にこれで良いのか。