私どもサンベルナルド・ド・カンポ日伯文化協会連合会は市内に四つの協会を結集し、合計で約600の日系家族で構成されています。
当連合会と各協会は、年間を通じて、日本移民記念祭のようないくつかのイベントを開催してきました。盆踊り、ビンゴ、カラオケ大会、日本舞踊、健康体操、焼きそば会、手巻き会、芸能祭、老人会等々。
予想外で恐ろしいコロナウイルスの出現で、2020年8月までに上記の予定されたすべてのイベントをキャンセルすることになり、各協会の事業が根本的に変えざるを得ない状態におかれました。
カラオケ、踊り、ビンゴ、健康体操など心のケアー、身体の健康等を支える活動が中断されたため、高齢者に最も大きな打撃を与えたと心配しています。
この高齢者の強制隔離によってどのような結果が生じるかは想定できません。物質面では、連帯の精神が広がっており、若者達が実家では勿論、他の家族の高齢者をサポートする動きが目立ち生活必需品の購入提供をしていることが知られています。
コロナウイルスの感染拡大防止策は社会的孤立策が唯一適していると思います。但しどの方式で行うことに論争が交わされています。高齢者、持病者のみか、全国民に当てはまるかの意見別れが見られます。ブラジルでは、人口のかなりの割合を占める貧困層の間で高齢者を若者から分離することは実現不可能であると考えられています。
ブラジルでの課題は他にも、フェイクニュースの急増、こういう状況を機会として政治的優位を確保する意図で矛盾を起こす政治的決定や発言を行い、国民を混乱させる有様がみせられるのが現状です。
逆に日本からのニュースを聞いて、完全に違った方向性が見られます。政治家間でこの難問に一致した意見が見られ、更に国民当ての正確な情報が発信されています。日本では緊急事態宣言が少数地域に定められましたが強制的ではなく、国民の協力を要求する程度です。
正確な情報の例えとして、社会的孤立の要請は80%と言われています。つまり、ある人が通常10人と接触していた場合、他の80%から離れて2人とだけ接触を続けなさいと言う提案です。感染爆発防止策として出てきた数字でしょう。
日本はブラジルよりもいち早くこの危機から脱出できると思います。
しかし、ブラジルの場合にも希望があると思います。現状態で色々な社会的問題がむき出しになり解決が必然になってくるでしょう。
国民の5割程度への衛生施設の必要性、労働者の4割程度が非公式職業で稼いでいるとの事情があらわになり、解決策の緊急性が認識されたのが現状です。
政治家、国の幹部が現在まで見ても見えないふりをしていた課題があらわになった感じです。貧困層への大きな社会的負債にもかかわらず、膨大な選挙資金を正当化した議員達に見せつけが迫られるでしょう。
今後、社会的変化が起こり、より公正社会を目指す方向が期待されます。