【既報関連】新型コロナウイルスの被害は拡大し続けており、27日のブラジル保健省発表による国内感染者は6万6501人、死者は4543人となった。国内各地で病院の患者対応能力が限界を迎えている。また、感染拡大を防ぐため、各地で、マスク使用が「奨励」または「義務化」されていると、27日付現地ニュースサイトが報じた。
州別の感染者数、死者数がサンパウロ州に次ぐ全国2位のリオ州では、七つの州立病院の内六つが、一般病室、集中治療室(ICU、ポ語ではUTI)共に満床で、州西部のヴォウタ・レドンダ市の病院だけが入院患者受け入れが可能だ。同院はICU80床、一般病床149床で、27日午前の時点での収容率は75%だった。
リオ市内の市立病院は計419の一般病床、137のUTI病床があり、収容率は、一般病床が90・3%、UTIが77・4%だった。
リオ州内には連邦(国立)病院が六つあり、それらの病院には、「同じ公立病院として、市立や州立の病院が受け入れきれない患者を受け入れるように」との地裁の判決が出ているが、縦割り行政の弊害から、患者受け入れは始まっておらず、UTIに入れずに待っている患者は300人に達している。
また、ブラジル各地では、感染拡大を防ぐため、公共の場ではマスクを着用するようにとの条例が州単位、市単位で出始めた。
DF(ブラジリア連邦直轄区)では4月30日から、公共の場、商業施設でのマスク使用が義務づけられる。連邦直轄区政府は経済的な理由でマスクを手に入れられない人のために、マスクの配布も公約した。条例に違反した場合、罰金と1年以下の禁固刑に処せられる可能性がある。
ピアウイ州でのマスク使用義務は4月22日からで、ロンドニア州は17日から、ミナス州は18日からだ。
マット・グロッソ州は、「営業許可を受けるには、従業員と顧客がマスクをしていなければならない」、サンタカタリーナ州は「顧客に対応する従業員、タクシー運転手はマスクをしなくてはならない」との条例を出し、ペルナンブッコ州も、商店員などへのマスク使用義務を定めた。バイーア州は、従業員用のマスク調達義務を雇用者に課しており、ゴイアス州は商店従業員と商店に入る顧客にマスク使用義務を課すと共に、州民に外出時のマスク使用を奨励した。
エスピリトサント州では、ヴィトーリア大都市圏のアルフレド・シャヴェス市が独自にマスク使用を義務付けた。パラー州も17日付で、商業施設内にマスクなしで入ることを禁じる条例を出し、従業員のマスク確保は雇用主の責任とも定めた。
また、市単位では、ベロ・オリゾンテ市、リオ市、フロリアノポリス市、ベレン市、フォルタレーザ市などでマスクの使用が義務付けられた。
サンパウロ州は24日付で、全州規模で外出時のマスク使用を「奨励」する条例を出した。パライバ州、マナウス市などでも類似の条例が出ている。