27日夜、グローボ局の人気番組「ビッグ・ブラザー・ブラジル(BBB)」の最終回が放送され、第20シーズンにして、10年ぶりの高視聴率を稼ぐ大成功を収めた。
「BBB」は2002年に第1シーズンの放送が始まった。元々のビッグ・ブラザーはオランダの番組で、名のない若者を共同生活させ、その中で人気のない人を毎週1人ずつ脱落させ、最終的な優勝者を決めるというショーだ。この番組は次第に、全世界にフランチャイズを持つ人気ショーとなった。
そのブラジル版、BBBも、参加者から、後に政治家になったジャン・ウイリスや女優となったグラッジ・マサフェラなどを輩出。2000年代には最も視聴率の取れる番組にもなった。
だが、2010年代に入ると、こうした競争形式のリアリティ番組の人気そのものが下火となり、ビッグ・ブラザーの放送を打ち切る国も続出。現在は、なおも放送を続けている国の方が少なくなっており、BBBもここ数年、視聴率で苦戦していた。
だが今年、グローボ局は、20回目の記念すべき年に、番組内で一つの賭けを行った。これまでのような「無名の若者」だけでなく、ユーチューブやインスタグラムといったSNSで有名になった「インフルエンサー」を参加者に混ぜるスタイルをとったのだ。これまでの有名人とは違うタイプの新しい有名人を参加者に加えることで、視聴者の興味を引こうとしたのだ。
すると、それが功を奏した。番組への注目度が上がっただけではなく、番組内でおなじみのハプニングが人種差別や女性差別などの問題を生み、それがちょっとした社会問題にも発展した。
そうしているうちに、番組視聴者たちが毎週のように自分の贔屓の参加者をSNSを通じて応援する現象も生まれ、それらの参加者の名前がツイッター・トレンドの上位を飾ることも頻繁に起きはじめた。
最終回となった27日まで残ったのは女性参加者ばかりの3人。ユーチューバーのラファ、歌手や女優の卵のマヌ、そして、苦学の若き黒人で医師の卵のテルマが争い、視聴者投票の44・10%を獲得したテルマが優勝した。様々な差別問題が起こったシーズンで黒人女性が優勝したことは、多くの著名人にも喜ばれ、黒人人気女優のタイース・アラウージョらも賛辞を送った。
「BBB」はすでに、来年の第21シーズンの放送も決まっている。(ウィキペディア、28日付フォーリャ紙、3月4日付MSNなどより)
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