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《ブラジル》1千レアルの人工呼吸器=USPが開発、承認待ち

USPが開発した人工呼吸器インスピレ(Divulgação/Poli-USP)

 新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器の需要が高まっているが、サンパウロ総合大学(USP)が、市場価格の15分の1という廉価な人工呼吸器を開発。現場での臨床試験を行った後、国家衛生監督庁(Anvisa)の承認を得るべく、準備を進めている。
 重症のコロナ感染症患者には必需品ともいえる人工呼吸器を少しでも迅速に、かつ廉価で調達したいと考える自治体が増えている中、USPが開発した人工呼吸器は、僅か2時間で製造出来る。しかも、製作費は市場価格の15分の1の1千レアルという優れものだ。
 17~19日には、USP付属クリニカス病院の心臓研究所(Incor)の患者4人による臨床試験も行われた。臨床技師によると、試作品は市販の人工呼吸器同様、全ての患者に問題なく使用出来たという。
 13~14日には動物での試験も行われ、正常に機能する事が確認されていた。臨床試験は国家調査倫理委員会の合意を得た上で、獣医学部と医学部の教授達の指導の下で行われた。
 新たな人工呼吸器の開発は、生物医学、工学、機械工学などの技師や研究者、学生、民間企業の代表者などが参加して行われた。臨床試験では、圧力や酸素の量などを患者に合わせて調整出来るかも確認された。
 ブラジルで使用されている人工呼吸器は輸入品が大半であるため、国内の企業が生産性を上げる事が出来るよう、国内で利用出来る技術と国内で調達出来る部品を最大限に使って作る事を心掛けたという。その結果、僅か2時間足らず、しかも1千レアルで製造可能な人工呼吸器が生まれた。
 人工呼吸器開発プロジェクトの責任者であるUSPのラウル・ゴンザレス・リマ教授によると、このプロジェクトでは、人工呼吸器に関するライセンスを公開。人工呼吸器そのものは、Anvisaが承認した企業によって製造される。
 新たに開発された人工呼吸器は緊急時も人の手を煩わさないよう配慮されており、近日中に臨床試験の結果を添えてAnvisaに送られる。また、Anvisaからの承認を得た時点で、民間企業が製造を開始する事になっている。(27日付G1サイトより)