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《ブラジル》コロナ感染でAVC発生?=現場の医師が警告発する

27日も142人が埋葬されたマナウス市の墓地(27日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、死因が特定できない死者や自宅で亡くなる人が増えているが、コロナ感染に伴って起こり得るものに脳血管障害(AVC)もあると28日付現地紙が報じた。
 コロナ感染症は病状が急変する例が多く、検査結果が死亡・埋葬後に出た例、死亡後の検査で感染が判明した例、検査さえ行っていない例が相当数出ている。そのため、重度の呼吸障害などを伴う例は埋葬後に死亡証明を出す事が許可されており、死因不明と記載した証明書で死亡届が出される例も起きている。
 ブラジル初のコロナ感染者が確認された2月26日から4月17日までの全国の登記所の死因不明の死亡届は、昨年同期を43%上回る1329件ある。各登記所が死亡証明の内容を市民登録情報センターに報告する期間は最大10日間で、実数は若干異なる可能性があるが、専門家はこれらの多くがコロナ感染者だった可能性ありと見ている。
 専門家は、病院で感染する事を怖れたり、病床が確保できなかったりして、自宅で亡くなる人が増える事も懸念。心筋梗塞やAVCで死亡した人もコロナ感染者だった可能性がある。
 AVCで運び込まれた患者がコロナに感染していた例は、医療現場でも注目されている。
 一例は、米国のザ・ワシントン・ポスト紙が掲載した、ニューヨークの医師による報告書で、30~40代の健康な人がAVCを起こして運び込まれ、その後の検査でコロナ感染が確認されたというものだ。同様の報告は中国やスペインの医師も行っているという。
 また、サンパウロ市やリオ市の病院の医師も、AVCを起こした患者がコロナに感染していた例がある事を明らかにしている。
 国外ではコロナ感染で呼吸障害などを起こした人に血栓溶解薬を処方した例があり、国内でも遺体から大小の血栓が見つかった例がある事から、現場ではコロナ感染後に生じた血栓が心筋梗塞やAVCを引き起こす可能性を警戒し始めている。
 特に注意する必要があるのは心臓疾患や糖尿病などの持病がある人で、コロナ感染を怖れて治療を中断しないようにとも呼びかけられている。
 米国ではコロナ感染の可能性を医師から指定されたのに、病院での孤独死を恐れた家族が父親を自宅で看取り、公式のコロナによる死者に数えられていない例もあるというが、自宅での死者増加は、医療崩壊が言われるマナウス市をはじめ、連邦直轄区やサンパウロ市、リオ市などでも起きている。
 埋葬者増加は全国的に起きているが、感染の疑いがある死者と死因不明者の多くがコロナ感染者である可能性が否定出来ない状況が起きている。