ここのところ、ブラジルのネット上で「ボット(ロボットの意)」と呼ばれる拡散機によるハッシュタグの大量拡散が問題視されている。最近目立つのは、ロドリゴ・マイア下院議長の辞任を迫るものやジョイセ・ハッセルマン下議への中傷といった、ボルソナロ大統領と敵対する人物を攻撃するものだ。この傾向は、大統領次男のカルロス氏が「フェイクニュース犯罪の中心人物」と連警に断定されたとの25日の報道後に活発化。28日夜に大統領が「奇跡は起こせない」発言をして世論から大不評を買った後は、それを打ち消すかのように「ボルソナロ英雄」のハッシュタグが大量拡散された。大統領に不利なことがあればSNS上で政敵を排斥し、不都合な発言が注目されれば、今度は不自然な称賛の言葉をばらまく。こうしたことが繰り返されて久しいのだが。
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ダッタフォーリャの最新調査によると、新型コロナウイルスの対策に関し、「隔離政策を守る」と答えた人が52%に落ちて、「ハイリスクでない人は職場に戻るべき」が46%に増えたという。これは、ボルソナロ大統領が盛り上げた反隔離政策の影響もあると思われるが、隔離政策が1カ月以上続いたことによる疲れや、家計が苦しくなり始めたことも反映されているのでは。州や市には、他国の例も参考に今後の対策を慎重に考える必要がありそうだ。
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ただ、その一方で、先週、ショッピングセンターを派手に再開させたことで社会的な批判を受けたサンタカタリーナ州ブルメナウ市では、22日の隔離緩和以降、28日までに感染者が2・6倍に急増したという。こういう例を聞くと、やはり無防備な商業活動再開は厳禁では。まだまだ、前途は多難といえそうだ。