ベテラン俳優のフラヴィオ・ミリアッシオ(85)が4日、リオ州リオ・ボニート市の自宅で遺体で発見された。時期柄、「死因はコロナか?」とも思われたが、事態はさらに重く、自殺だったという。自宅には遺書があり、「人権が尊重されないことに絶望した」「高齢者が切り捨てられる世の中だ」などと書かれていた。一概に自殺の理由を断定することはできないが、コロナの影響で世界的に大勢の人が亡くなり、ただでさえ憂鬱になっている世の中なのに、人命を守るために心を一つにできず、いがみ合う世の中になっている今のブラジルでは思い当たることも少なくないか。こういう死が増えないことを願いたい。
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ボルソナロ大統領は4日、大統領官邸で陸軍予備役中佐のセバスチャン・クリオー氏を来客として迎え、もてなした。クリオー氏は軍政時代、陸軍軍曹として拷問や殺戮を命じたことを、自ら認めている人物。国民の中には軍政を嫌っている人が多いのに、3日に軍事クーデターをほのめかす発言をした翌日に、この行為では当然、反発も強い。それ以前に、大統領のこうした行為に、軍が本当に賛同しているかどうかが気になるところだ。
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イボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)が5日に発表したサンパウロ州での世論調査によると、所得層A~C層では、68%がサンパウロ州、サンパウロ市のコロナ対策に賛成し、ボルソナロ大統領には26%しか賛同していないことがわかった。このところ、週末になると、大統領支持派がデモを起こし、「反ドリア、反隔離」を叫んでいるが、これが現実といったところか。