全国自動車工業協会(Anfavea)が8日、4月の国内の自動車生産台数は、昨年同月比で99・3%減、前月比99%減だったと発表した。
4月の生産台数は、乗用車、小型・中型商用車、トラック、バスの全てを合わせても1847台で、史上最低だった。これは、ブラジルの自動車業界にとって、新型コロナウイルス感染拡大の影響がいかに大きかったかの表れだ。昨年4月の生産台数は26万7561台だった。
Anfaveaのルイス・カルロス・モラエス会長も、「ブラジルで自動車生産が始まった1957年以降、最悪の結果だ」と語る。
今年1月から4月までの4カ月間の累計生産台数は、昨年の同じ期間と比べて、39・1%減にとどまった。
自動車輸出に関しても、4月の輸出台数は7212台で、前年同月比で79・3%減、前月比で76・7%減だった。今年に入ってからの4カ月間の累積は、昨年同期比で31%減だ。
Anfavea関係者は、ブラジル製の自動車の最大の輸出相手国である、隣国アルゼンチンの経済状況や、コロナショックの推移からも、この結果は予想通りと語っている。
生産、輸出が大幅に落ち込んだにも関わらず、自動車業界の労働者数は昨年4月比で3・7%減、前月比で0・3%減にとどまった。これに関しては、大量解雇を防ぐために政府と議会が急ぎ成立させた雇用保護政策を、モラエス会長は高く評価している。政府が定めた一時帰休制度、もしくは時短・給与削減制度の対象になっている自動車業界労働者は、全体の74%に上る。同会長は、交渉に前向きに応じた労組にも感謝の意を示した。
国内販売台数に関しては、今年の4月は5万5735台で、昨年同月比76%減、前月比65・9%減だった。
販売店も危機にさらされている。全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のアラリコ・アスンソン会長は、このまま営業が再開できないと、国内の販売会社の30%が倒産してしまうと訴えている。ブラジル国内の自動車販売店は7300あり、そこで働く従業員総数は31万5千人だ。
なお、ブラジル国内のいくつかの工場は徐々に生産を再開している。Anfaveaによると、4月13日以降、国内8工場が稼働を再開しており、合計で3万人の労働者が職場に戻っている。(8日付G1サイトより)