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《ブラジル》大統領VSモロ=問題のビデオ12日朝閲覧=大統領の介入発言あれば罷免へ?=検察庁長官乗り気でない報道も

モロ氏(Marcelo Casal/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領が連警長官の人事異動や連警の捜査内容の入手を求めていた証拠と言われる会議の録画記録が提出され、最高裁が連邦検察庁や連警への公開を了承した。12日の午前8時にモロ法相本人と連邦検察庁のアウグスト・アラス長官らの立会いで会議の録画の閲覧を行う。9〜11日付現地紙、サイトが報じている。
 連邦総弁護庁は8日、大統領とモロ氏の間で行われた連警長官人事に関するやり取りなどを含むとされて問題となっていた、4月22日開催の閣議の模様を収録したビデオを最高裁に提出した。
 最高裁のセウソ・デ・メロ判事は5日、72時間以内にビデオ(無編集の状態の完全版)を提出するよう命じていたが、連邦政府側は、モロ氏とのやり取りの部分だけを提出するのを認めるよう求め、抵抗していた。
 同判事はさらに、22日の会議に同席し、ボルソナロ大統領の問題発言のときの状況を知っているとされる軍人閣僚3人(ヴァルテル・ブラガ・ネット官房長官、ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官、アウグスト・エレーノ大統領府安全保障室(GSI)長官)らへの事情聴取を求めた。
 これに対し、一部の軍人たちは、「軍への干渉だ」と憤慨した。7日には、リオの軍隊クラブがセウソ判事への抗議声明も出している。
 軍人閣僚3人は、口裏をあわせるのを避けるため、12日に一斉に事情聴取を受ける。
 また、セウソ判事は9日、ビデオを全面公開とするか部分公開とするかを決める前に、一部の関係者でビデオを閲覧することを認めた。
 ビデオ閲覧を認められているのは、モロ氏と同氏の弁護士、アラス連邦検察庁長官、連邦総弁護庁のジョゼ・レヴィ長官もしくは同氏が指名した人物、連邦警察のクリスチアーネ・コレア・マシャド捜査官と捜査チーム、セウソ判事の秘書のウゴ・シンヴァウド・シウヴァ・ダ・ガマ連邦判事のみだ。


 11日には、これらの人たちによるビデオの閲覧が12日の午前8時からブラジリアの連邦警察で行われることも決まった。モロ氏は11日にブラジリアに来ている。
 また、11日には、連邦警察長官を解任されたマウリシオ・ヴァレイショ氏がパラナ州クリチーバの連邦警察で事情聴取を受けた他、同氏の後任候補だったが、就任を差し止められたアレッシャンドレ・ラマジェム氏や、新連警長官に指名されて連警ナンバー2に就任した、リオ州連警元トップのリカルド・サアジ氏らも、連警で事情聴取を受けた。
 このビデオ閲覧で大統領が連警人事を理由にモロ氏を脅したと見なされれば、罷免請求や罷免審理を進める強力な理由になる。
 だが、連邦政府側はアラス長官が大統領を起訴することはないだろうと見ている。というのも、フォーリャ紙によれば、ボルソナロ大統領は次期最高裁判事に、アラス氏を指名することを検討中だという。