小さな家に大勢の人が住み、人口密度が高い上、水道が余り整備されておらず、医療施設へのアクセスも不便など、新型コロナウイルスが蔓延し始めたら、多くの感染者や死者が出る事が懸念されるスラム街(ファヴェーラ)。
そんなスラム街の人々がコロナウイルスの脅威に晒される度合いを少しでも減らし、健康状態を保つためにリオ市が行っている活動の一つに、「社会的地域計画」というプログラムがある。具体的な活動には、企業や団体、個人からの寄付によって集まった食料品や衛生用品の配布などがある。
今回の配布予定は、国際連合児童基金(ユニセフ)から寄贈された25万個の石鹸だ。これらの石鹸は、市内にある大きなスラム街10カ所に住み、プログラムに登録済みの家庭、約2万5千世帯に配られる。
このプログラムでは5月6日までに、コロナ感染症に対してハイリスクと見られる人が少なくとも1人いる家庭、1951世帯に食料品セットが配られた。これらの食料品セットの中身は、「リオを抱くソーシャルワーク」と呼ばれる団体が寄付したものだ。同団体はゲル状のアルコールも500本寄贈している。
リオ市にはスラム街が多く、特別な支援が必要だ。リオ市市役所は、人間開発指数が低いとみなされる世帯を見つけ、観察するONU-Habitatと呼ばれる非政府団体の支援を得て、このプログラムを運営している。
ONU-Habitatは登録された家族の健康状態や困窮度を確認するための訪問活動なども行っているが、現在は、コロナウイルスに感染する危険性回避のため、訪問活動は一時的に中止している。
「社会的地域計画」の支援活動には、社会福祉士や保健局職員らが電話をかけ、連邦政府の社会福祉政策に参加するためのカダストロ・ウニコと呼ばれるシステムへの登録を助ける、新型コロナウイルスに関する情報を流して、衛生管理について説明する、感染者や感染の疑いのある人の隔離を助けるといった活動も含まれている。(14日付G1サイトより)