労働者党(PT)サンパウロ市支部が16日に各地区支部長による投票を行い、ハダジ市政で交通局長を務めたジウマール・タット氏が、ジウマ大統領時代に保健相を務めたアレシャンドレ・パジーリャ氏に僅差で勝利し、10月予定のサンパウロ市市長選の同党候補となった。16日付現地サイトが報じている。
候補選出のための予備選は当初、サンパウロ市内の党員の内、2万人ほどが参加して行われる予定だった。だが、コロナウイルスの影響で、投票メンバーを各地区の支部長クラスに縮小して行われた。
その結果、312票対297票という僅差で、タット氏が今回の市長選候補に選ばれた。
事前の予想では、候補に名乗りを上げていたパウロ・テイシェイラ氏、ナビル・ボンドゥキ氏、エドゥアルド・スプリシー氏らが出馬断念の際に、こぞってパジーリャ氏支持に回ったことや、コロナ禍の最中ということで彼に保健相の経験があり、医師でもあることが有利に働くと見られていたため、意外な結果に見えた。
だが、タット氏は兄弟5人が政治家で、市内の政界では抜群の知名度を誇る。さらにPTが伝統的に強い市周縁部で根強い支持があり、最終的に軍配が上がった形となった。