【既報関連】18日夜の保健省発表で、新型コロナウイルスの感染者が25万人を超え、感染者数は米国、ロシアに次ぐ3位となった。同日発表の感染者は前日比1万3140人増の25万4220人、死者は674人増の1万6792人だったと18、19日付現地紙、サイトが報じた。
19日19時20分配信のG1サイト記事によれば、24時間の死者数は初めて1千人の大台を越え、1179人を記録した。同じく感染者も1万7408人となった。これで、死者総数は1万7971人、感染者総数は27万1628人と報じた。
19日午前中の集計では、世界中の感染者は481万人で、米国の感染者が154万人、ロシアが30万人、ブラジルが25万7千人となっている。ブラジルの後は、英国24万6千人、スペイン23万2千人と続いている。
同時点のブラジルの死者は州保健局の数字が加わって1万6895人となっており、死者数で見た順位は、米国9万694人、英国3万4796人、イタリア3万2007人、フランス2万8239人、スペイン2万7709人に次ぐ、世界6位だった。
19日付エスタード紙は、リオ連邦大学(UFRJ)やブラジル海軍、ボルドー大学(フランス)の研究者達による予測では感染拡大ピークは今週で、7月には状況が落ち着くとの見方を掲載した。
それによると、ブラジルでは4月半ばのイースター(復活祭)以降、社会的隔離が緩み、当初見込まれていた以上のペースで感染拡大が続いている。
もちろん、感染者増加は検査数が増えた事も関係している。現在のブラジルでは、1人の感染者から感染する人は2・8人とされており、感染拡大はまだ続く。UFRJなどの研究者は現行ペースで検査と感染が続いた場合、7月18日現在の感染者は36万8千人に及ぶと見ている。
現在は軽症者にも検査を行う州が出ており、感染者数はこの予測以上に増える可能性がある。現行ペースで感染が拡大し、現在の致死率(6・7%)が保たれた場合、7月末までに少なくとも2万5千人が死亡するとの試算も出されている。
UFRJなどの研究者は、復活祭前の状態が続けば、4月末か5月はじめがピークとなり、6月上旬には感染拡大が終息。感染者も12万人程度で済んだと見ている。だが、社会的隔離が緩んだ事で、感染拡大は広まり、今週から来週は感染者が増え続ける可能性があると見ている。
ブラジルは国土が広く、州や市によって感染拡大のあり方にも大きな差がある。研究者達は、サンパウロ州の海岸部や内陸部の感染拡大のピークはサンパウロ大都市圏より少し遅れ、6月になると見ている。
ボルソナロ大統領は「社会的隔離政策は経済活動の再開を妨げると主張しており、他国では隔離を緩和し始めたのに、ブラジルはロックダウン採用を検討している州や市がある事を懸念している企業家は少なくない」としている。ただし、企業家達の中にはボルソナロ氏とは異なり、ブラジルでの感染拡大終息の遅れは、連邦政府が州や市と対立し、国としての対策が定まらない事が原因と見る向きもある。
タイシ保健相退任後はなおさら、多国籍企業中心に、ブラジル経済の先行きに不安を感じる企業家が増えているという。