ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》コロナ禍の保健省で軍人急増=大臣代行が指名、クロロキン基準変更も?

《ブラジル》コロナ禍の保健省で軍人急増=大臣代行が指名、クロロキン基準変更も?

ブラジリアでの保健総会に出席中のパズエロ保健相代行(18日、Erasmo Salomão/MS)

 【既報関連】ネウソン・タイシ前保健相の退任後、大臣職代行中のエドゥアルド・パズエロ氏が19日、保健省の役職に9人の軍人を任命したと19日付現地ニュースサイトが報じた。
 パズエロ氏は陸軍中将で、タイシ氏が保健相に任命された際、省内の実務を掌握するための副大臣として、大統領から直接の任命を受けた。同氏はタイシ前保健相退任後、保健相代行に指名された。
 識者の間では、パズエロ氏を保健相代行に指名したのは、軽症のコロナ感染症患者へのクロロキンやヒドロキシクロロキンの使用に関する基準変更を進めるためと見られている。これらの薬は安全性や有効性が疑問視されており、現状ではクロロキンの使用基準の変更に署名する医師はいないとされているためだ。ルイス・エンリケ・マンデッタ元保健相やタイシ前保健相が首を縦に振らなかった点でもある。


 だが、ボルソナロ政権の軍人閣僚達の中には、医学的な根拠もないままに使用基準を変更する事は国民を危険に晒す可能性がある事や、軍人が変更書類に署名すれば軍の印象も悪くなる事などを懸念し、パズエロ氏が副大臣の立場に留まる事を願っているという報道もある。
 だが、パズエロ氏は19日、保健省の会計担当、全国健康基金(FNS)の財政担当、構造プロセス革新の総合コーディネーターなどの要職に軍人9人を採用する事を同日付官報で公表。自らの後任に、マンデッタ氏の副大臣補だったカルロス・アウベルト・アンドラデ氏の後任のアントニオ・エルシオ大佐を据える事も別途公表している。