セウソ・デ・メロ最高裁判事は22日、ボルソナロ大統領と次男のカルロス氏の携帯電話を押収するよう、連邦検察庁に指示を出した。加えて同判事は、セルジオ・モロ前法相の訴えている「大統領が連邦警察の人事介入や捜査干渉を行った」との疑惑の証拠と目される閣議ビデオの全面公開を22日に許可した。22日付現地サイトなどが報じている。
セウソ判事は21日、連邦検察庁に対し、ボルソナロ氏の供述を求め、同氏と次男のカルロス氏の携帯電話の押収を命じた。
これは、モロ氏が訴えた大統領の連携捜査干渉疑惑に関して、民主労働党(PDT)、ブラジル社会党(PSB)、緑の党(PV)の3党が起こした訴えに答えたもの。この訴状では大統領が三つの犯罪をおかしていると指摘している。
検察庁で判断を行うのはアウグスト・アラス長官だ。同長官は昨年8月にボルソナロ大統領に指名されて長官職に就任したこともあり、かねてから大統領に不利な捜査を嫌っていることで知られている。
今回の件で意外だったのはカルロス氏の携帯電話押収で、これに関してはカルロス氏自身も「何の罪で?」と疑問を呈している。
カルロス氏の携帯電話押収は3党の訴状の希望に応じたものだった。同氏は連邦政府内に非公式に作られたSNS通信部「嫌悪部隊」のリーダーと以前から目されている。
セウソ判事は、モロ氏がかねてから全編公開を望んでいる、4月22日に行われた閣議会議の公開についての決定権を委ねられている。
このビデオは、閣僚やアラス長官が「大統領に関する部分だけの公表」を強く望んでいる。すでに一部で報道されているところによると、この会議は、大統領の疑惑には直接関係していない閣僚たちの問題発言も数多く存在しているという。閣僚会議とは思えないような暴言や卑語が含まれていて、大統領の罷免機運を盛り上げると指摘する専門家もいる。今週末から来週にかけて、その内容がブラジル社会の話題をさらう可能性がある。モロ氏は全編の公開を希望している。
ビデオの公開に関する判断はセウソ判事に一任されており、22日に午後、完全公開を許可した。今週に入って同ビデオを見たセウソ判事は、内容そのものに「信じられないほどのショックを受けた」と語っていたと報じられている。
同判事はさらに、21日に連邦直轄区で逮捕された、判事や検察官たちへの死亡予告を行って逮捕された2人の容疑者を「ファシストのボルソナロ支持者」と呼んで批判も行っている。