かつて「ブラジルの恋人」とも呼ばれた有名女優で、鳴り物入りで連邦政府文化特別局長に就任したレジーナ・ドゥアルテ氏が20日、就任3カ月にも満たないまま退任した。20日付現地サイトが報じている。
レジーナ氏の退任(一部メディアの報道では解任)に関して、ボルソナロ大統領は「本人から家族が恋しいとの報告があった」とし、同氏の子供や孫が生活しているサンパウロ市で連邦政府の職務ができるようシネマテカ文化財団への転任という名目で文化局長を退任した。
レジーナ氏は1960年代から国民的な人気を得ている女優で、芸能界では珍しい保守派として知られていた。ボルソナロ氏を熱烈に支持していたことで気に入られ、1月に前任のロベルト・アルヴィム氏が解任された後、政治家未経験ながら、文化特別局長に指名されていた。
レジーナ氏は1カ月強の試験期間を経た後、3月4日に文化特別局長に就任。だが、極右思想家のオラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の派閥との対立が続いた上、5月にはレジーナ氏がCNNブラジルで「ナチスでも拷問があった」との発言で軍政礼賛を行い、自ら社会的な軋轢を起こしていた。
レジーナ氏の転任先のシネマテカ財団には現在空席がなく、どういう役職に就くのかは未定だ。
後任の文化特別局長には俳優のマリオ・フリアス氏が就任する予定。