22日にセウソ・デ・メロ判事によって公開された4月22日の閣議ビデオでは、大統領のみならず、他の大臣の問題発言も明るみになり、問題視されている。22〜23日付現地紙、サイトが報じている。
この日の閣議は、本来は閣僚たちが現状の問題点を発表しあうためのものだったが、ここで最も問題視されたのはウェイントラウビ教育相の発言だった。
同相は「最高裁判事を全員逮捕しろ」と発言した他、「先住民など大嫌いだ」とも語っている。
25日、上院はウェイントラウビ氏を召喚し、発言の真意について見解を述べさせることを決めた。
また、ダマレス人権相は外出自粛令は人権を侵害するものと考え、「知事や市長は逮捕されるべき」との発言を行っている。
さらにリカルド・サレス環境相は、「コロナウイルスに国民の目が向いている間に、環境法を変えてみてはどうか」と発言。これは、国際問題にまで発展した。昨年の環境サミットで話題を読んだスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは、「カメラのないところでこのような発言を」と痛烈に批判している。
同環境相は昨年8月のアマゾンの森林火災の際に、その対応の甘さから国際的に批判され、さらに木材の不正輸出の実態を調べようとした調査員を解雇するなど、国の内外で行動が問題視されている。
パウロ・ゲデス経済相も「今すぐブラジル銀行を売却せよ」などの発言を行っている。
ほぼ全編が公開されたビデオの中に、コロナ死者を悼んで対策を真剣に論じる議論がほぼ存在しないことに、呆れるコメントをする報道が目立った。「大統領支持者たちが望むような発言が多かったので、固定した支持層からの支援は強固される」と見る向きもあるが、過激と感じる層は確実に離れて行くだろうとの見方も強い。
また、英国ガーディアン紙が「ホラー・ショーのようだった」と評したように、国際世論の反応は否定的なものが目立った。