【既報関連】リオ州政府関係者が新型コロナ対策で決めた臨時病院建設に絡んだ不正に関与した疑いがあるとして、26日に連警が「プラセボ作戦」を敢行したと同日付現地サイトが報じた。
捜査対象にはウイルソン・ヴィッツェル州知事本人やエレナ夫人も含まれており、知事官邸や知事の自宅など12カ所で早朝から家宅捜索が行われた。知事夫妻の携帯電話も押収物件に含まれているという。
同作戦では、同州政府が緊急事態宣言に基づいて行った臨時病院八つの建設・運営に関する事業契約(総額8億3500万レアル)絡みの疑惑を捜査している。
連警は14日にも、医療機器購入関連の「ファヴォリト作戦」を行い、州政府と1億2900万レアルの事業契約を結んだ企業家のマリオ・ペイショット氏ら5人を逮捕している。今回の作戦では、14日に逮捕された容疑者の供述や証拠物件が用いられた可能性があり、エレナ州知事夫人がペイショット容疑者の会社から支払いを受けた証拠があるとしている。
連警リオ本部長は前日に指名されたばかりで、今回の作戦にはブラジリアからの応援もあった。ヴィッツェル州知事は家宅捜索後、「犯罪行為には関与していない」と明言した上、「ボルソナロ大統領による連警介入が公的なものになった」とも語った。
大統領はかねてからヴィッツェル州知事を批判しており、モロ前法相ひき止めにも動いたとされる大統領支持派のカルラ・ザンベッリ下議は作戦前日の25日、「諸州の保健部門で不正が行われていた件で連警が摘発作戦を計画中」と今回のことを予言するような発言していた。
一部の識者は「大統領の政敵を迫害するための警察を持つ必要はない」「捜査内容が事前に漏れていたなら重大事」などとの声を上げている。また、大統領支持者達は「大統領が同州に私設連警を抱え込んでいると批判される可能性を認知しているが、不正は裁かれるべき」と語っている。