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《ブラジル》大統領当選が無効の可能性も=選挙高裁が審理開始へ

 選挙高等裁判所(TSE)のルイス・ロベルト・バローゾ長官は26日、18年大統領選におけるボルソナロ大統領とモウロン副大統領のシャッパ(候補者連記名簿)の当選が有効か否かの審理をはじめる意向があることを明かした。26、27日付現地紙、サイトが報じている。
 これは、26日に行われたネット生中継のインタビューで明らかにしたもの。同長官によると、遅くとも3週間以内には審理の準備に入るという。
 TSEには現在、合計15通の「ボルソナロ、モウロン」シャッパの当選無効を訴える訴状が届いている。同長官が最初に扱うのは、18年大統領選に出馬したマリーナ・シウヴァ氏(レデ)とギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)が提出した訴状2件になる見込みだ。
 その訴状では、大統領選期間中、女性たちが立ち上げたボルソナロ氏への抗議運動の中心となったサイトがハッキングされ、同氏を支持するサイトに変えられたことをあげている。

 同シャッパへの当選無効請求はこうしたネット絡みのものが多く、やはり大統領選候補だったシロ・ゴメス氏の民主労働党(PDT)と協力政党のアヴァンテが連名で出したものは、ボルソナロ氏の協力者が業者に大金を支払い、ワッツアップ上で、ボルソナロ氏が有利になるようなフェイクニュースを大量に流布させた疑惑を訴えている。
 バローゾ長官は25日に就任したばかりで、大統領シャッパの件のほかにも、新型コロナウイルスの影響で、10月に行われる予定の全国市長選を延期するか否かの判断も注目されている。
 なお、選挙高裁副長官は、エジソン・ファキン最高裁判事が務める。