連邦高等裁判所(STJ)が27日、2018年3月に起きた、リオの左派女性市議マリエレ・フランコ氏と運転手のアンデルソン・ゴメス氏の殺害事件の捜査を連邦警察扱いにするか否かの評決を行い、5対0で連警移管に反対する判断を下した。これで、マリエレ氏の遺族の望み通りに、リオ市警と同州検察局が継続して捜査を行うこととなった。同日付現地紙サイトが報じている。
マリエレ氏殺害事件は国際問題にまで発展した一方、捜査が遅れていたため、連警扱いにしようとする動きがあった。
だが、リオのミリシア(犯罪者の民兵組織)が絡んだ地域性の強い事件である上、連邦管轄になれば大統領がこの件に影響力を行使しやすくなるとの見方もあり、犯罪者が罰せられないままでお蔵入りする可能性があるとして、マリエレ氏の遺族や所属政党の社会主義自由党(PSOL)が反対していた。リオのミリシアはボルソナロ大統領一家との関係が囁かれており、PSOLもボルソナロ氏と対立関係にあった。る。
27日にSTJ第6小法廷で行われた判事投票では、「連警に捜査を移管することの必然性が認められない」との理由から、連邦化を求めた連邦検察庁の訴えを5対0で却下。遺族らの意向が認められた。
同件では、ボルソナロ大統領と同じゲーテッド・コミュニティ(出入り規制された居住地区)の隣人を含むミリシア2人が19年3月に殺害実行犯として逮捕されたが、殺害を命じた犯人は見つかっていない。