新型コロナウイルスの影響で自粛が続く中、岩手日報5月27日付けにブラジル岩手県人会会長の千田曠曉さん(岩手、79歳)の寄稿が掲載された。その一部を本紙にも抜粋する
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普段にぎわう市中心部のリベルダーデ(日本人街)は人通りが減り、県人会ビル近くの青空市場も同様だ。マスクやフェースシールドで予防する市民の姿が目立つ。県人会としても4月の誕生会、5月のわんこそば大会を中止。日系人関連で最大規模となる日本まつり(7月)の開催も今年は見送った。
日系人の入植地に住む高齢者は、外出できなくなったことで交流する楽しみが絶たれ、友人たちは「長期間の自粛にも限度がある」と嘆く。
また、飲み会が好きなグループはチャットアプリでやりとりし、寂しさをやり過ごしている。海外の他の県人会と連絡を取り合っているが、各団体とも「コロナ禍を乗越えたい」との思いは一緒だ。
その中で1日、達増知事から県人会宛てに「古里岩手との交流をさらに深められるよう、困難な状況を共に乗り越えましょう」とのメッセージが届き、とても勇気づけられた。
この地に移住した先人、同法は開拓に苦慮しながらも耐え忍び、明日に希望を託して生きてきた。同感染症の苦難も必ず克服できると信じている。