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《ブラジル》コロナ死者1262人で過去最多 内陸部へ感染拡大中だが緩和策へ

監視カメラによる体温モニターシステムを導入したサルバドール市の地下鉄(Mateus Pereira/GOVBA)

 【既報関連】1日のコロナ死者数は2日、過去最多の1262人を記録、合計で3万1199人と止まるところを知らない。そのようにコロナ感染者や重症の呼吸器疾患患者が増え続けている中で、社会隔離緩和が進められようとしている事を案ずる声が高まっていると1~2日付現地紙、サイトが報じた。
 世界保健機関(WHO)は1日、ブラジルは1日の感染者増加数が世界規模で見ても多く、感染拡大のピークには達していないとの見解を示した。週末と週明けは感染者、死者共に増加数が少なくなる曜日で、24時間で増えた感染者と死者は、31日(日)が1万2247人と480人、1日(月)が1万2247人と623人だった。だが、1日は過去最多の1262人を記録した。
 オズワルド・クルース財団(Fiocruz)による呼吸器系疾患を起こすウイルス蔓延に関する統計(InfoGripe)で見ても、今は多くの地域で呼吸器疾患が増加する時期だ。だが、感染拡大が終息していないのに社会隔離緩和を始めたり、外出自粛令は延長しないと決めたりした州や市が出てきている。
 ペルナンブコ州ではレシフェ大都市圏の外出規制延長を行わない事を決め、感染者数が全国3位のセアラーなども同様の決断を下している。だが、専門家は冬あるいは雨季に社会隔離を緩和する事で感染拡大が更に進む事を懸念する。

 サンパウロ市の入院患者数は減少し始めたが、同州カンピーナスでは病床占有率がほぼ100%に達するなど、内陸部での感染拡大も気がかりだ。
 2日付エスタード紙によると、3月末の内陸部での感染者は全国の感染者の12・4%、死者も9・3%だったが、5月末には感染者が34・5%、死者も22・1%に増えている。内陸部は医療体制が整っていないところが多く、飛行機や船で州都などに患者を運ぶ例も出ている。
 コロナウイルスの感染拡大は、国内外からの人が行き来する大都市から始まった。4月の段階で感染爆発が懸念されたサンパウロ州やリオ州、連邦直轄区、アマゾナス州、ペルナンブコ州は、サンパウロ州以外全て100万人あたりの感染者数(発生率)が3千人を超えた。特に、アマゾナス州は発生率が1万79人に達し、国内2位だ。
 それ以外で発生率が高いのは、1万1694人のアマパーや7173人のアクレ、6095人のロライマ、5530人のセアラー、4989人のマラニョンなどだ。
 また、発生率504で低い方から2番目のミナス州は、呼吸器疾患での死者が多く、集団発生も報告されている事などから、検査の遅れなどで確認されていない例が相当数あると見られている。