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文協=コロナで移民史料館存続の危機=日本館も維持管理が困難に=アミーゴキャンペーン呼びかけ

アミーゴキャンペーンのPR画像

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文化まつりで公開されたキャンペーン告知動画。県連『日本祭り』の司会でおなじみ、山井ケンジさんが出演している。

有名作家ロベルト・シンヤシキもキャンペーン応援

 「維持管理費は入場料と寄付で成り立っていましたが、3月からの閉館により収入が途絶え危機的状況です」――ブラジル日伯文化福祉協会(文協、石川レナト会長)は、3月中旬から閉鎖となっている傘下施設の「ブラジル移民史料館」と「日本館」の維持管理が危機的状態となっていることから「アミーゴキャンペーン」と題したクラウドファンディングの支援キャンペーンを始めて、幅広い支援を募っている。

 

アミーゴキャンペーンQRコード

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 「パンデミックによる外出自粛要請だから仕方がないと、ただ腕組して座っているわけにいきませんでした」と先頭に立ちキャンペーンを率いる石川会長は力を込めてそう話した。
 移民史料館や日本館は政府からの財的支援を受けておらず、入場料や寄付から維持管理費を捻出している。リベルダーデにあるブラジル移民史料館には書類や写真、着物などといった約9万7千点の物品を所蔵し、日本移民に特化した史料庫や資料室を有していることから、移民史専門家や学生達にとって学術的に有益な場となっている。
 イブラプエラ公園内にある日本館はサンパウロ市政400周年を祝し、日本政府とコロニアが協力し寄贈した建築。1997年にはサンパウロ市の永久保存建築物に指定され、来伯した日本政府要人らも必ずといっていいほど訪れることから、日本とサンパウロ間の友好の象徴ともいわれている。「両館ともに日系社会を代表する重要な施設です。これまで以上に全ての人々に対してご協力をお願いせざるを得ません」と石川会長は頭を下げた。
 このアミーゴキャンペーンはインターネットによる寄付のみ。個人向けは50レアルから、法人向けは1000レアルから。いくつかのコースが設けられており、支援額に応じて外出自粛要請後に史料館または日本館で利用可能な入場券(21年12月まで有効)やTシャツやカタログの贈呈などの特典を受けることが出来る。
 詳しくは文協のキャンペーン告知サイト、またはQRコードで(http://www.bunkyo.org.br/jp/2020/05/23/%e3%82%a2%e3%83%9f%e3%83%bc%e3%82%b4%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%83%b3/)
 支援は下記サイトから(https://amigo.doareacao.com.br/)。問合せはブラジル移民史料館(museu@bunkyo.org.br )まで。

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     ◎
 アミーゴキャンペーンで個人向けコースは50レアルからとなっている。このコースの特典は入場券5枚と文協ウェブサイトへの名前掲載だという。史料館の入場料は16レアルなのでかなりお得に入場券が手に入る。自粛要請解除後の楽しみに、前もって購入してはどうか。子や孫に見て日系意識を強めてもらうようにプレゼントするのも名案では。