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《ブラジル》環境相が懲罰免除令を撤回=検察庁から強い反発受け

マタ・アトランチカのパラナ州立グラシオーザ公園(ウキペディア)

 リカルド・サレス環境相が4月に出した、マタ・アトランチカ(大西洋岸森林)で行われた環境法違反行為を懲罰免除する省令を撤回したことが明らかになった。4日付現地サイトが報じている。省令の撤回は、4日付の連邦政府官報に掲載された。
 問題の省令は4月に環境相本人が出したもので、2008年7月までに大西洋岸森林内の環境保護区域で起きた、森林伐採や焼き畑、不法侵入などの環境法違反行為を懲罰の対象とせず、不法侵入した土地の利用も合法化するという内容だった。
 同省令は、不法伐採者への罰金徴収や不法伐採地への再植林義務も免除する内容。水源地や川辺、丘の上などの開発や不法占拠を禁じた環境保護法や、2006年に制定されたマタ・アトランチカ保護法に反するとして、4月当時から問題視されていた。

 連邦直轄区の連邦検察庁は5月に、ブラジル検察環境協会(Abrampa)や非政府団体SOSマタ・アトランチカとの連名で、同省令を無効化するための手続きを始めていた。マタ・アトランチカでの森林伐採は18~19年に27%増えており、連邦検察庁は国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)に、同省令には従わずに違反を摘発して懲罰を科すよう、要請していた。
 サレス環境相は、4月22日に行われた閣議で「コロナウイルスの騒ぎで世間の目がそれている間に環境法を緩めよう」と発言していたことなども発覚しており、問題になっている。