ブラジル動物性タンパク協会(ABPA)が5日、5月の豚肉輸出が10万トンの大台を初めて超えたと発表したと8日付現地サイトが報じた。
同協会によると、5月の豚肉(生肉、加工品)輸出量は10万2400トン、輸出額も2億2790ドルに達した。輸出量は昨年同月比で52・2%増、輸出額は58・4%増えた。輸出額が2億ドルを超えたのも初めてだ。
今年1~5月の累計は38万3200トンで、28万5900トンだった昨年同期を34%上回った。
ブラジルではコロナウイルスの感染拡大で食肉加工工場の一時閉鎖なども起きている。だがABPAによると、月間の輸出量が10万トンを超え、輸出額が2億ドルを突破する事は事前に予想されていたという。
輸出をけん引したのは、アフリカ豚熱(ASF)の蔓延で自国での豚肉生産に問題が生じた中国での需要の高まりだ。国際的な需要の高まりと輸出量の増加は、国内での生産コスト軽減にも繋がっているという。
ABPAはまた、5月は鶏肉の輸出も順調で、昨年同月の38万2200トンを4・5%上回る、39万9400トンを輸出したと発表した。
今年に入ってからの5カ月間の鶏肉輸出は176万4千トンで、昨年同期の168万1千トンを4・9%上回った。
ABPAによると、中国は豚肉と鶏肉の両方で輸出をけん引した。同協会では、当面は中国がアジア方面への輸出をけん引する傾向が続くはずだと見ている。