2018年3月に起きたマリエレ・フランコ・リオ市議と運転手アンデルソン・ゴメス氏殺害事件に関し、実行犯が犯行に使った銃器を預かっていた容疑で、消防士のマクスウェル・シモンエス・コレア容疑者(通称スエル、44)がリオ市で10日朝逮捕された。市警は同事件へのボルソナロ大統領一家の関与の可能性を否定した。10日付現地サイトが報じている。
スエル容疑者の逮捕はリオ市警とリオ州検察局の合同捜査で行われた。同容疑者は自宅で逮捕され、7時40分頃に市警殺人課に到着、取り調べを受けた。
市警によると、スエル容疑者は殺害実行犯のロニー・レッサ容疑者とはかなり親しい間柄で、マリエレ氏殺害後に犯行を隠すべく、事件で使用した銃器を預かり、自分の車の中に隠していたという。レッサ氏が逮捕された19年3月に、その銃器はバーラ・ダ・チジュッカ沖の海に投げ捨てられた疑いが持たれている。
スエル容疑者は、評価額190万レアルで3階建ての豪華な家に住んでおり、逮捕時には17万レアルの高級車BMWも押収された。これらの資産は消防士の給与とはまったく釣り合わないもので、別の疑惑も浮上している。
スエル容疑者の自宅の他、別の容疑者4人に関係する場所、計10カ所での家宅捜索も10日に行われた。捜査には、市警殺人課の他、組織犯罪対策特別班(Gaeco)、軍警監査局、消防隊関係者らも参加した。
また、同件の捜査を担当している市警殺人課課長のアントニオ・リカルド・リマ・ヌーネス氏は、「ボルソナロ大統領一家のマリエレ氏殺害事件への関与はなかった」との見解を示した。
ボルソナロ大統領はリオ市でレッサ容疑者と同じゲーテッドコミュニティ(集合警備戸建て住宅地区)に住み、マリエレ事件の殺害共犯者のエウシオ・ケイロス容疑者が事件当日の数時間前にボルソナロ氏の許可をとってレッサ氏の家に立ち寄ったと門番が報告したことによって、昨年10月に事件への関与が疑われていた。