リオ州議会で10日、ウイルソン・ヴィッツェル知事(キリスト教社会党・PSC)に対する罷免請求を受け付けるかの投票が行われ、大多数が賛成。罷免審議開始が決まった。10日付現地サイトが報じている。
ヴォッツェル知事は、5月26日に連警による捜査が行われた、同州保健局による人工呼吸器の不正売買疑惑に関与していた疑いをかけられている。この疑惑では、同知事夫人のエレーナ氏が疑惑企業から50万レアルの賄賂を受け取った疑いも持たれている。
10日に行われたビデオ審議では、70人の州議中、欠席の1人を除いた69人が賛成という実質的満場一致で、ヴィッツェル知事の罷免審議を行うことを決めた。
この決定は同州官報に掲載され、各政党は48時間以内に特別委員会のメンバーを指名する。メンバー指名後は、48時間以内に最初の委員会が開かれるが、その後の具体的な審議日程などは決まっていない。
ヴィッツェル氏はこの決定後、「ボルソナロ大統領による暴力的な陰謀だ」と強い憤りを顕にしたが、疑惑に関しては、「汚職撲滅を掲げて当選したのであり、無実を確信している」と語った。
人工呼吸器の購入にまつわる疑惑の捜査では、連邦警察による捜査の前日に、大統領の側近的な役目を果たしているカルラ・ザンベッリ下議が、捜査を予言するような発言を行っており、連警の捜査情報漏えい疑惑が囁かれている。
ヴィッツェル知事は捜査当日から、自身が大統領の意向に反して、コロナウイルス対策で外出自粛令を強行したことへの復讐だと解釈していた。
ヴィッツェル知事とボルソナロ大統領は所属政党が同じだった時期もあり、懇意にしていたが、知事就任後にヴィッツェル氏が大統領批判を繰り返したことで関係が悪化していた。