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《ブラジル》ドル高5レアル台に突入=米国の動き受け株式も大揺れ

 休日明けの12日、再開した市場でドル高が起こり、1ドルが5レアル台にふたたび戻る動きが見られた。10日の終値は1ドル=4・9334レアルまで落ちていたが、12日に取引がはじまった時点で5・0114レアルに跳ね上がり、一時は3%以上高い、5・1128レアルに到達した。
 中銀が2020年9月と21年2月が期限の契約1万2千件分のスワップなどを行って抑制につとめた結果、1ドル=5・0411レアルで終わった。
 ドルは3月12日にはじめて5レアル台に突入して以降、急速に上がり、5月13日には史上最高の5・9007レアルまで達した。だが、その後、米国でコロナ禍が沈静化し、経済活動再開のめどがたちはじめたとの期待感が広がるなどして、レアル安に転換。今月5日には1ドル=5レアル台を切り、8日にはここ3カ月間で最安値の1ドル=4・8539レアルまで下がっていた。
 だが、米国FRBが10日に今後の経済観測を発表したことなどで、再び、ドルが他国通貨に対して弱含みで動き出したのが11日。12日のブラジルの為替や証券市場は、コロナ禍終息の見通しが立たず、経済の先行きも不透明という国内事情と、一連の国外事情を反映したものといえる。

 この日は、サンパウロ証券取引所指数(IBOVESPA)も、米国株式市場の下落を受け、9万4703Pから昼過ぎには9万0810Pまで落ちてヒヤッとする展開。ただし、終値は9万4685Pまで戻し、2%マイナスですんだ。
 ブラジルの証券市場は11日が休日だったが、11日はダウ・ジョーンズが6・9%下落するなど、欧米諸国の市場が荒れたことがブラジル市場の動きに影響した。
 11日の国際市場は、米国内でコロナ感染の第2の波が発生することへの懸念が拡大したことや、米国の中銀にあたる米連邦準備理事会(FRB)が10日に、今年の国内総生産(GDP)は6・5%縮小し、失業率も9・3%に達する上、少なくとも2022年までは金利が0~0・25%で推移するとの見通しを発表したことなどで、世界の投資家たちの間に不安がひろがり、異例ともいえるほど、大きな動きを見せた。
 12日の欧米市場は揺り返しが起き、ブラジリア時間午前11時前にはダウ・ジョーンズが2・75%高を記録など、高めに動いた。