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《ブラジル》コロナ死者数の増加率が減速化=隔離緩和の結果はこれから

週単位の感染者数の推移を示すグラフ(保健省公式サイトより)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大は続いているが、死者数が前週平均より減る傾向がでてきた。15日の保健省発表の死者数は627人(計4万3959人)、感染者数は2万647人増(計88万8271人)だった。
 1日の感染者や死者の集計数は週末や休日の影響を受けるため、感染学者は週単位の数字を重視にする。保健省統計などでも使う週は日曜日~土曜日までが1単位で、今月の7~13日は20年第24週となる。
 週単位の感染者と死者の増加数のグラフは保健省公式サイトにも出ているが、第23週(5月31日~6月6日)と第24週は感染者の増加ペースが落ちている。この事は、前週比の感染者増加率が第23週は35・0%、第24週は26・4%であった事でも明らかだ。
 特に死者数は第22週(5月24~30日)から増加のペースが落ちている。それでも、第22週は6821人増、第23週は7096人増と前週比増が続いたが、第24週は6790人増で前週より減った。第21週までは40%超だった週間の死者増加率も、第23週が31・0%で、以下、24・6%、18・9%と続いている。
 週単位で見た感染者増加率が前週を上回った州数が、第23週10、第24週3である事も、感染拡大の減速化を示すといえそうだ。第22~24週の週単位の感染者増加率が最低だったペルナンブコ州(24・8%、17・8%、13・5%)と、第23週が20・3%で2位、第24週は14・8%で3位のアマゾナス州は感染者数のグラフが横ばいに転じ始めた。

週単位の死者数の推移を示すグラフ(保健省公式サイトより)

 死者増加率が前週を上回った州は第23週7、第24週11で、死者の増加は感染者の増加より遅れる傾向が確認出来るが、前週比の死者増加率が10%台の州数は第21週の1以降、徐々に増え、24週は7だった。州都マナウスでの感染がピークを越え、臨時病院閉鎖も発表されたアマゾナス州は、死者増加率が第23週9%、第24週10・4%で最小だ。第24週の最大はマット・グロッソの100%で、セルジッペの90・4%が続く。

 感染者数の増加はドライブ・スルーなどでの検査強化も反映している。他方、ペルナンブコ州の感染者増加率低下はレシフェ大都市圏の都市封鎖の影響が大きい。同市では15日から隔離が緩和されたが、パラナ州クリチバやリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレなどは感染者増や集中治療室の占有率上昇で隔離が強化された。
 社会隔離を緩和し始めた州が増えた結果が、今週以降に数字で表れ始める。感染の内陸化や、都市周辺部で自宅での死者が増え続けている事、急性気管支系疾患による死者は依然として多い事も含め、気は抜けない状況が続く。15日付G1サイトによると、南部3州とミナス州、マット・グロッソ・ド・スル州、トカンチンス州の6州は、内陸部での死者総数が州都圏での死者総数を超えている。