経済省国庫担当局長(secretário do Tesouro Nacional)のマンスエト・アウメイダ氏が辞表を提出し、8月で辞任することを明らかにし、専門家筋から惜しむ声が相次いでいる。14日付現地サイトなどが報じている。
マンスエト氏は、テメル政権の2018年4月に現役職についたが、もともとエンリケ・メイレレス財相(PT)時代から財務官僚として財政健全化、景気回復につとめてきた国庫運営の専門家だ。ボルソナロ政権移行後も、パウロ・ゲデス経済相の右腕的存在として経済政策を支え、財政改革の鍵を握る人物と目されてきた。
だが、昨年後半から既に、マンスエト氏は経済省を離れることを考えていたという。ゲデス氏はマンスエト氏を連邦財政審議会の重要ポストに指名することも考えていたが、現在はもう、後任人事などについての話し合いもはじまっているという。
マンスエト氏はメディアの取材に対し、「今年の前半から辞めることは考えていたが、パンデミックのために辞めることができなかった」としている。退任後は一定期間を置いた後、民間の金融機関などに入る見込みで、「8月には辞めることになる」という。辞任の理由については、「休養が必要だから」と「疲れ」を強調。政権内の不調和や方向性の違いなどの言及は一切行っていない。
財界関係者によると、市場においても評価の高かったマンスエト氏が離任するということで、投資家たちの間には早くも不安感が走っているという。XPインヴェスチメントスのアナリスト、ヴィットル・スカレッチ氏は「コロナ禍においてはとりわけ、財政調整が必要になるのだが」と不安を口にしている。
マンスエト氏の後任としては、以前にサンパウロ市財政局長をつとめていたカイオ・メガーレ氏や、現経済省特別調整局長のジェフェルソン・ビッテンコート氏、エスピリントサント州財務局長だったブルーノ・フンシャル氏、連邦政府関係国庫副局長のプリシラ・マリア・サンターナ氏などの名前が候補に上がっているようだ。