物議を醸す言動続きのアブラアン・ウェイントラウビ教育相が解任の危機に立っている。15、16日付現地サイトが報じている。
ボルソナロ大統領は15日、バンデイランテス局の取材を受け、ウェイントラウビ教育相に関して「思慮深さに欠けている」「連邦政府を代表する存在ではない」と語った。大統領による公の場で初めての同教育相批判を受け、「ウェイントラウビ氏、解任か」との憶測がメディアを駆け巡った。
ことの発端となったのは、ウェイントラウビ氏が14日にブラジリアで連邦政府支持デモに参加したことだ。この前日には、15日に逮捕されたサラ・ウインター容疑者が率いるネオナチ集団「300・ド・ブラジル」が最高裁に向かって花火を発射したことが大問題となっており、その直後にデモ参加したことが、連邦政府関係者の間でも物議を醸し、「解任せよ」との意見が巻き起こっていた。
しかも、同相はこのデモにマスク着用せずに参加し、連邦直轄区政府から2千レアルの罰金刑も受けている。
ウェイントラウビ氏はかねてから、連邦政府内でもっとも舌禍事件を起こす大臣として知られている。3月に起きた、コロナウイルスの中国陰謀論と中国人に対する人種差別発言では国際的な問題を引き起こした。また、5月にビデオが公開された4月22日の閣議では、「最高裁判事を全員逮捕せよ」と発言しており、連邦警察での事情聴取も受けて黙秘を通した。
奇しくも15日は、最高裁でフェイクニュースの捜査対象にウェイントラウビ氏を含むか否かの継続審議が行われ、彼に人身保護令を適用するか否かの判事投票が続けられていた。結局、反対が圧倒的多数で人身保護令は認められず、同相はFN捜査の対象に含まれることになった。
大統領の息子や極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の支持者たちが、大統領に対し、ウェイントラウビ氏解任を思いとどまるよう懇願しているという。